「より多くの国民に会いセウォル号の真相究明を訴える」
「特別調査委の足を引っ張らず独立的活動保障せよ」
「選挙を控え船体引揚発表など政治利用の可能性」警戒も
「もう朴槿恵(パク・クネ)大統領には面会を求めない。より多くの国民の皆様に会い、セウォル号惨事の真相究明を訴える」。 セウォル号事故1周年が迫るなかで「4・16家族協議会」のチョン・ミョンソン代表は政府の誠意ない態度に失望を禁じ得ないとして、こう語り始めた。
25日、京畿道安山(アンサン)市の京畿道美術館にある家族協議会の事務室でハンギョレ記者と会ったチョン代表は「この一年、苦痛の時間をすごしたがようやくスタートしたセウォル号特別調査委員会がまだまともに活動できずにいて惨めな思いだ」と心境を明らかにした。 彼は「惨事から1周年を控えて、一部では『大統領に会って遺族の願いを訴えてはどうか』という話が出ている。 だが、大統領よりは直接国民の皆様を訪ね歩く方が良いと判断している」として、朴大統領に対する不信と不満を表わした。
チョン代表はまた、来月行われる再補欠選挙と来年の総選挙でセウォル号の惨事が政治的に利用されることを警戒した。 彼は「酷暑と戦い、寒風に吹かれながら路上で1年を過ごしたが、大統領と政府は何の約束も守らなかった。 今はセウォル号特別調査委員会の正常活動さえ困難に陥っている。 政府・与党が選挙を控えて(特別な準備もせずに)船体の引揚計画発表など政治的行動をする素地がなくはない」と指摘した。
チョン代表はさらに「とうていあり得ないはずの大型惨事に対する真相究明と責任者処罰を国家が手を拱いて放置している現実に挫折するわけにはいかない。今後はひたすら国民の力を信じるほかはない。 より多くの国民の呼応を得るために座り込み体制に入ることもありうる」と明らかにした。
チョン代表は「私たちが要求しているのは特別調査委員会の政治的中立性保障と、これに伴う独立的真相究明活動、完全な船体引揚および失踪者の完全収拾だ。このような問題が先ず解決されれば、責任者の処罰も自然になされるだろうし、訳も分からぬままに亡くなった犠牲者も安らかに眠ることができるだろう」と強調した。
家族協議会は惨事1周年である4月16日を含む来月11~19日に慰霊祭と汎国民追慕集会などを珍島ペンモク港と安山、光化門などで順に開く計画だ。