「客室1〜3階船尾に脱出表示
海警なぜ船尾で救助しなかったのか」嘆く
「どうやったらこんなに大きな船があっという間に沈没するのか理解できない。本当にとんでもない死に違いない」
セウォル号特別調査委員会のイ・ソクテ委員長と委員らは残念な気持ちを隠せなかった。旧清海鎮(チョンヘジン)海運所有で、セウォル号と「双子」の船と呼ばれるオハマナ号に対するセウォル号特別委員会の現場調査が26日、仁川港第3埠頭で2時間ほど行われた。6日、全羅南道・珍島(チンド)彭木(ペンモク)港と事故海域を訪問したのに続き、実質的に最初の調査活動に乗り出したのだ。
現場調査は、イ委員長をはじめ、チョ・デファン副委員長、クォン・ヨウンビン常任委員などの委員7人と委員会の専門家9人が、1階の貨物室をはじめ6階のブリッジに上がって操舵室で操舵装置と監視カメラなどを確認した後、客室、貨物倉庫、機関室、船首、船尾などを順に回る方法で進められた。
今は運航していないオハマナ号は暗く、溜まったほこりのにおいでが充満していた。 6階のブリッジに上がる道は迷路のように複雑だった。委員会の関係者と取材陣で込み合った客室前の廊下は大変狭かった。セウォル号に重ね合わせてみると、事故当時、乗客が廊下を通って脱出するのは容易ではなかったと思われる。
客室には、部屋ごとに緊急脱出経路標識がついていた。客室がある1〜3階は船尾に脱出するようになっていた。ファン・ジョンウォン委員は「セウォル号沈没当時、これを知っていた民間漁船は船尾に近づいて救助を行ったが、海洋警察は船尾に行かなかった。これを知らなかったのなら職務遺棄であり、知っていたのなら救助の意思がなかったことになる」指摘した。
船の傾きを示す「クリノメーター」がオハマナ号の操舵室と機関室に設置されたことについても委員の慨嘆が続いた。 「偶然にもセウォル号の場合、クリノメーターが設置されていた2カ所の船員らがすべて退船した。船の中で最も下にあった機関室船員までもがクリノメーターを見てブリッジに上がって退船したことになるが、自分たちは脱出しながら中間にいた乗客たちにはなぜ退船の指示をしなかったのか、理解できない。現場に来てみると、セウォル号事故は、本当に人災という気がする」
1989年6月に進水したオハマナ号は清海鎮海運所属だったが、今年1月に売却され、今月末に慶尚南道に移動する予定である。クォン・ヨンビン常任委員は「オハマナ号は金属スクラップとして分解され、外国に売却される可能性が高い。今後採用される調査官はこの船を見ることができなさそうだ。 (まだ正式に発足もしなかった)特別委員会の限界を表しているようで残念だ」と語った。
韓国語原文入力: 2015.03.26 19:49