本文に移動

「韓国は嘘ばかり」…日本政府の“嫌悪戦略”が功を奏したか

登録:2019-01-07 23:21 修正:2019-01-08 08:09
哨戒機へのレーダー照射めぐる対立がネット上で拡大 
国防部の公開映像、7日で再生回数174万件 
日本の右翼ネチズン「嘘ばかりつく国」 
嫌悪フレームを作って世論戦への拡大を狙う
国防部は今月4日、救助作戦中だった韓国の広開土大王艦に対する日本哨戒機の近接飛行を「威嚇的な低空飛行」と規定し、謝罪を求める内容の動画を公開した=国防部ユーチューブよりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 韓国の駆逐艦が日本哨戒機に追跡レーダーを照射したという日本の主張に対抗し、哨戒機による威嚇的な低空飛行を指摘した韓国側の動画が公開されたことを受け、インターネット上で両国のネットユーザーが舌戦を繰り広げている。事実関係をめぐる論争もあるが、相手に対する罵倒と誹謗を含む嫌悪発言も少なくない。

 国防部が4日に公開した「日本は人道主義的救助作戦の妨害について謝罪し、事実の歪曲を直ちに中断せよ」という題名のハングル版ユーチューブ動画の再生回数は、7日午後4時30分基準で174万件を超えた。同映像を見たネットユーザーらは、賛成、反対意見を意味する「高い評価」または「低い評価」をそれぞれ8万回ほどクリックした。国防部が同日公開した英語版映像も、クリック数が50万件を上回っている。「高い評価」と「低い評価」もそれぞれ4万件を超えた。

 ハングル版の動画には、書き込みが5万7000件も掲載された。事実関係を検証する内容の書き込みの合間に、相手に対する非難と罵倒が飛び交う。一部の韓国のネットユーザーたちは日本に対して不快感をあらわにした。多くの日本のネットユーザーは「嘘ばかりつく国」というふうに韓国を蔑んでいる。

 専門家らは、日本政府が韓日当局間の協議で問題を解決せず、動画を掲載し、“世論戦”を触発した背景には、韓日関係を嫌悪フレームで再構成しようとする意図があると疑っている。強制徴用判決など歴史問題をめぐる軋轢に対する不満を「韓国は軍事的にも信頼できない国」というふうに拡張しているということだ。ヤン・ギホ聖公会大学教授は「日本は強制徴用判決など韓日間の歴史問題をめぐる軋轢と関連し、韓国政府が対策を出さないことに対して強く不満を示して、『韓国人は信頼できない』というような国際世論戦を繰り広げることで、圧迫を加えようとしているものと見られる」としたうえで、「安倍首相は周辺国に対する“嫌悪フレーム”を活用し、自分の政治的立場を強化することに長けている。これを通して、防衛費を増額し、憲法改正への意志を貫こうとしているようだ」と話した。

 韓日関係が事実関係を追及する動画の公開とこれをめぐる韓日のネットユーザーの対立に飛び火した状況は、前例のないものだ。国防部は今週中に、中国語やロシア語、フランス語、スペイン語、アラビア語などで制作した動画を追加公開する予定で、韓日のネットユーザーの対立はさらに深まりかねない。ヤン教授は「現在も韓日関係が正常で建設的な対話が難しい状況なのに、今後の各種外交事案にこうした先例が適用されるのではないか懸念される」と指摘した。

ノ・ジウォン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/877326.html韓国語原文入力:2019-01-07 21:27
訳H.J

関連記事