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李明博政府時代の国情院、「文化界のブラックリスト」作り大統領に報告

登録:2017-09-11 23:30 修正:2017-09-12 07:44
イ・ウェス、キム・ミファなど82人に追い出し工作 
大統領府に「VIP日々報告」で配信 
 
朴元淳ソウル市長は「従北人物」と規定 
保守団体の集会・不信任請願組織
国家情報院庁舎=資料写真//ハンギョレ新聞社

 李明博(イ・ミョンバク)政府時代、国家情報院(国情院)が政府に批判的な文化芸術界の関係者らを追い出すために広範囲な工作を行い、このような内容を「VIP日々報告」などの形で大統領府に報告していたことが明らかになった。検察の捜査が李明博元大統領まで向かうのかが注目される。

 国家情報院改革発展委員会(委員長チョン・ヘグ)は11日、傘下組織である「積弊清算TF」から、このような内容が書かれた「MB(李明博)政府時代の文化・芸能界、政府批判勢力撤退の件」調査結果の報告を受け、ウォン・セフン元国情院長とキム・ジュソン元国情院基調室長などに対し国情院法上の職権乱用禁止違反などで検察への捜査依頼を勧告したと明らかにした。

 国情院改革発展委の資料によると、ウォン・セフン元院長は2009年2月の就任後、随時世論を主導する文化・芸術界の特定の関係者や団体について「大統領に対する言語テロによって名誉を失墜させた」、「左派傾向の映像物制作で不信感を注入した」などの理由を挙げ、反対や追い出しなどの圧力活動に乗り出すよう国情院に指示した。これによって、当時国情院は文化界のイ・ウェス、チョ・ジョンレ、チン・ジュングォン、俳優のムン・ソングン、ミョン・ゲナム、キム・ミンソン、映画監督のイ・チャンドン、パク・チャヌク、ポン・ジュノ、放送タレントのキム・ミファ、キム・ジェドン、キム・グラ、歌手のユン・ドヒョン、シン・ヘチョル、キム・ジャンフンなど5分野82人を追い出しの対象と名指しし、全方位的に圧迫したことが明らかになった。国情院は追い出しの対象に選定した芸能人の所属事務所に対して税務調査を誘導するのはもちろん、彼らが出演した番組編成の関係者を人事措置するよう誘導し、国際映画祭の委員長候補から排除したり、さらには放送大賞受賞作の選定に関与し脱落を要請したことが明らかになった。実際、放送人キム・ミファ氏はキム・ジェチョル当時文化放送(MBC)社長の指示により、人気ラジオ番組「世界は、そして私たちは」から降板させられた。

 当時、大統領府も民政首席、広報首席、企画管理秘書官を通じて「左派寄りの芸能人の活動実態及び考慮事項の把握」(2010年8月)などを指示し、これによって国情院は「VIP日々報告」、「BH要請資料」などの形で報告したと国情院改革発展委は明らかにした。VIPは大統領を、BHは大統領府を指す。

 国情院は2010年3月当時、ウォン・セフン院長の指示に従い、キム・ジェチョル文化放送社長の就任を機に人的刷新と「偏向番組」追い出しなどを盛り込んだ「MBC正常化戦略および推進策」も作成したと調査された。

 国情院改革発展委はまた、2013年にメディアに報道されたこともあるいわゆる「朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長制圧文書」をウォン・セフン国情院で作成し、心理戦活動に活用した点を確認し、ウォン元院長などに対して国情院法上の政治関与禁止違反で検察への捜査依頼を勧告した。

キム・ボヒョプ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/810597.html 韓国語原文入力:2017-09-11 22:02
訳M.C(1470字)

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