キム・ビョンウク議員「子供たちの未来がかかった教育政策を拙速決定とは」
27日、教育部が国定教科書の現場適用方案を発表する15分前まで、発表内容とは異なる方案を推進する方針だったことが確認された。教育部は「来年から希望する学校に一年間、国定歴史教科書を配布し、2018年からは“国定・検定混用”体制を導入する」と発表したが、15分前に国会に送った報告書では(2018年ではなく)来年から全面的に国定・検定を混用すると記されていた。子供たちの未来がかかった教育政策を拙速に推進しているという批判が出ている。
共に民主党のキム・ビョンウク議員が教育部から提出させ、28日に公開した教育部の「歴史教科書現場適用方案」によれば、教育部は「国定歴史教科書を2017学年度から検定教科書と混用する」と明らかにしている。この法案は、イ・ジュンシク社会副首相兼教育部長官が27日午前11時に政府世宗(セジョン)庁舎で対国民談話を通じて歴史教科書の現場適用方案を発表するわずか15分前の午前10時45分に国会に報告した内容だ。だが、イ・ジュンシク長官は午前11時の対国民談話で「2018学年度から国定・検定教科書を混用する」と発表した。激しい反対世論を意識して「2017年国定・検定混用」方針を15分の間に「2018年混用」に1年先送りしたと見られる。
教育部のこの日の公式発表に含まれている「来年、国定教科書を希望する学校を研究学校に指定して、国定教科書を使う」という内容も国会報告には含まれていなかった。来年から国定と検定の教科書を全面的に混用すると明らかにしただけで、“研究学校”という示範学校を指定する必要はなかったためだ。国会報告では「2017学年度には国定教科書と既存の検定教科書のうち、学校が自由に選択できるようにする」という内容が、最終発表では「2017学年度には“正しい歴史教科書”を希望するすべての学校を“研究学校”に指定して、“正しい歴史教科書”を主教材として使い、他の学校では既存の検定教科書を使うようにする」に変更された。
国定教科書はこの間、朴正煕(パク・チョンヒ)政権を美化し、親日附逆派の行跡を縮小するなど、偏向的な叙述の他にも僅か1年間での無理な執筆および審議のために“拙速執筆”、“暗闇執筆”などの批判を受けてきた。これに加えて最終発表直前まで明確な方針を立てられなかった情況があらわれて、執筆から最終方案用意まで拙速推進されたという批判を免れないものと見られる。
キム・ビョンウク議員は「生徒たちの未来がかかった教育政策を、教育部がどうしてこのような形で決めるのか、納得できない」として「生徒たちが安定的に勉強できる条件を作るどころか、教育部が歴史教育をめぐって混乱を助長している以上、国定教科書は今からでも直ちに廃棄すべきだ」と話した。
これに対して教育部歴史教育正常化推進団のパク・ソンミン副団長は「担当者がミスして草案を国会に誤って送った」として「15分間で決定を覆したのではない」と話した。しかし、こうした重要な教育政策の発表内容を、教育部が国会に誤って報告したというのは説得力に欠けると指摘されている。別の教育部関係者たちの話を総合してみれば、教育部が発表終盤まで明確な立場を定められずに右往左往した情況が明かだ。ある教育部関係者は「いくつかの案をめぐって悩み、最終決定を下した」と話した。また別の教育部関係者は「終盤まで結論を下すことができなくて、内部ではこの日の発表を延期しようという意見まで出た」と話した。