本文に移動

黄教安体制後、国定教科書再び強行…野党「必ず廃棄」

登録:2016-12-14 23:43 修正:2016-12-15 06:33
共に民主党「朴槿恵政策の清算第1号…争点化の理由はない」 
国民の党「国定化を強行する黄教安代行体制に懸念」 
市民団体、副首相の辞任を要求…光復会「直ちに中止すべき」
韓国史教科書国定化阻止ネットワーク所属団体の代表らが今月14日午前、ソウル光化門広場で記者会見を開き、「歴史教科書国定化の強行」の立場を明らかにしたイ・ジュンシク教育部長官の辞任を要求した後、国定教科書を廃棄するパフォーマンスをしている=キム・ジョンヒョ記者//ハンギョレ新聞社

 国民の絶対多数が反対する朴槿恵(パク・クネ)政権の国定歴史教科書をめぐり、イ・ジュンシク社会副首相兼教育部長官が国定化を強行する方針を示唆して、批判の声が高まっている。野党は、朴槿恵政権の弊害を清算する最初の課題として、国定教科書の廃棄を掲げており、教育市民団体は国会にイ・ジュンシク副首相の解任を要求した。

 野党は14日、国定教科書の撤回を朴槿恵政権の清算課題第1号に決め、これを必ず貫くと明らかにした。共に民主党のウ・サンホ院内代表は同日の最高委員会議で「弾劾以降、朴槿恵大統領が一方的に推進したいくつかの政策を正すべきだという声が高まっている」として、「最初の課題は国定教科書問題」だと述べた。ウ院内代表は「この本を切実に望んできた朴大統領に献呈本として一部程度を寄贈し、残りは廃棄するのが正しい」としたうえで、「黄教安(ファン・ギョアン)大統領権限代行体制で国定化問題を争点化する理由はない」と主張した。

 歴史教科書国定化を阻止するための共に民主党特別委員会の委員長を務めているユ・ウンヘ議員は、ハンギョレとの電話インタビューで「国定教科書を強行すれば、学校現場に多大な混乱がもたらされる」とし、「教育部が23日まで意見集約期間を設けるとしただけに、それまで野党3党や市道の教育監、市民社会団体が連帯してオン・オフラインで国民に向けた広報を展開していく」と話した。ユ議員は「イ・ジュンシク教育部長官が、上層部の顔色をうかがって右往左往するのは、長官として最小限の哲学も持ち合わせていないことを表している」とし、「教育部は学校現場が混乱に陥らないように、国定化を直ちに撤回するという断行とした立場を明らかにすべきだ」と話した。

 朴智元(パク・チウォン)国民の党院内代表も同日、非常対策委員・国会議員連席会議で「イ・ジュンシク副首相が歴史教科書問題を再び強行する意を示している」としたうえで、「朴槿恵政権の誤った政策を引き続き推進することで、黄教安権限代行体制が朴槿恵政権の連続という憂慮が広がっている」と批判した。

 これに先立ち、イ副首相は13日、国会教育文化体育観光委員会での懸案報告で「歴史教科書は政治状況にかかわらず、推進されなければならない」として、国定化の強行を示唆する発言をした。今月7日までの「あらゆる可能性を検討している」という立場と相反するものだ。このような立場の変化をめぐり、歴史教科書国定化の先頭に立ってきた黄教安権限代行が、国定化を強行する方針を求めたのではないかという疑惑も持ち上がっている。黄権限代行は昨年11月3日、国定化政策を公式発表する際に、「高校の99.9%が偏った教科書を使用している」として、マッカーシズム的攻勢を繰り広げた。

 教育市民団体はイ副首相の即刻辞任を主張した。全国484の教育市民団体が連帯した韓国史教科書国定化阻止ネットワークは同日、ソウル光化門(クァンファムン)広場で記者会見を開き、「ろうそく集会の民心が弾劾した国定教科書を強行するイ・ジュンシク社会副首相は、直ちに辞任すべきだ」として、国会に解任建議案の提出を促した。また、彼らは「国定教科書の製作に44億ウォン(約4億3千万円)以上の国民の税金をつぎ込んだ教育部は反省しろ」と声を高めた。

 独立有功者団体である光復会も同日、声明を発表し「これまで、国定教科書の廃棄を主張するよりは、国定教科書の『大韓民国の樹立』を『大韓民国政府の樹立』に修正することを求めてきたが、これからは国定歴史教科書の推進を直ちに中止すべきという立場を表明する」として、国定教科書の即刻廃棄を主張した。イ・ジュンシク副首相は15日午前、政府ソウル庁舎でパク・ユチョル光復会会長と面談し、国定教科書に対する意見を聞く予定だ。

キム・ギョンウク、オム・ジウォン、キム・ミヒャン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/schooling/774681.html 韓国語原文入力:2016-12-14 19:18
訳H.J(1974字)

関連記事