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議員の78%が賛成…親朴系30人以上が弾劾に賛同

登録:2016-12-10 00:37 修正:2016-12-10 07:33
予想より多かった「賛成234票」 
220票前後とみていた政界は安堵 
終盤の逆転狙った親朴系の没落 
 
非朴系35人を除いたセヌリ党93人のうち 
棄権2・無効7を含めると39人が背を向け 
「新人・再選・首都圏を中心に離脱」分析
金武星セヌリ党前代表(前から6人目)が9日午後、国会で開かれた本会議で朴槿恵大統領弾劾訴追案に投票するため並んで待っている=イ・ジョンウ先任記者//ハンギョレ新聞社

 9日、朴槿恵(パク・クネ)大統領弾劾訴追案表決で明らかになった国会議員の票は民心をそのまま反映したものでもあるが、今後訪れる韓国社会の激変を予告する数値でもある。政権与党議員の半分が、これ以上朴大統領の「統治」に同意しないということを明らかにしただけに、いかなる形であれ朴大統領の任期(2018年2月24日)前の「早期退任」が可視化する見通しだ。

 この日の表決に参加した299人(セヌリ党のチェ・ギョンファン議員1人不参加)のうち、賛成票を投じた議員は234人だ。与野党いずれも「圧倒的と見ることはできないが、当初の予想よりも多くの賛成票が出た」ということに同意している。親朴系が一丸となって終盤の逆転を試みたが、結局彼らの見解に従って反対票を投じたのは56票に過ぎなかった。一時90人を超えると推定された親朴系は、朴大統領の1~3回目の談話が出るにつれ次第に縮小し、民心に逆らう親朴系の中心人物らの居直りが継続し、結局40人近い離脱を招いた。

■予想よりも多かった…政界は安堵

 投票前日の8日まで、与野党は概ね今回の弾劾訴追案が220票前後で可決されるだろうという見ていた。野党と無所属を合わせた172人からは離脱者がいないものと見て、セヌリ党非朴系が主導する非常時局委員会の趣旨に賛成する人が35人程度だったからだ。この両方を合わせると、確実な賛成票は207人で、残りの未だ決めかねている議員のうち10人程度は民心を意識して賛成の隊列に合流するだろうという期待を加えたものだった。

 議員らを相手にした選挙経験が多い国民の党の朴智元(パク・チウォン)院内代表ですら「私が予想したより多かった」と打ち明けた点も、このような状況を示している。非朴系非常時局委員会の代弁人格のセヌリ党ファン・ヨンチョル議員も「われわれ非常時局委員会で予想していたより、親朴系議員らが国民の意思を峻厳に受けとめたとみる」と評価した。非朴系が投票前日まで「弾劾訴追案の内容に『セウォル号の7時間』が含まれる場合離脱票があるだろう」と主張した内容も、結局杞憂だったことが判明した。ある親朴系議員は「圧倒的可決が必要だった非朴系としては最善を尽くすという次元だが、『7時間』が含まれたため反対したという議員はほとんどいないだろう」と伝えた。

 政界では200票をかろうじて超えるか、220票前後で弾劾案が可決された場合、国会に集中するであろう非難を懸念する声があった。憲法裁判所の弾劾審判の過程にも否定的な影響を与える恐れがあり、親朴系の固い勢力が確認されれば、政界の刷新事態も難しくなる可能性があるという懸念も出た。このような理由から、今回の表決の結果に接した政界は親朴系を除けば概ね大きく安堵しているようすだ。

■親朴系30人以上離脱…党内世論の把握もできなかった親朴系主流

 親朴系の核心人物らは、投票前日まで200票をやや超える賛成票を予想しており、「最後まであと10人ほど説得すれば否決することも可能」との見通していた。親朴系の核心であるホン・ムンジョン議員はこの日の朝、文化放送(MBC)ラジオに出演し、「(賛成に分類された)35票のうち、私が思うには15票を除いた残りの票はまだ苦悩しているのではないかと思われる。(否決も)十分に可能性があると思う」と予測した。しかし、結果は親朴系の惨憺たる没落だった。主流の親朴系の核心人物らが党内の意見もろくに把握できずにいたということだ。

 今回の表決の結果だけを見ると、確実な非朴系35人を除いたセヌリ党議員93人のうち、棄権(2票)と無効(7票)を含めると39人もが親朴系に背を向けたという計算が出てくる。これを非朴系35人と合わせれば74人で、党内の勢力地図が変わるほどの数になる。政界内外で言及されたいわゆる「シャイ弾劾派」が、親朴系内にも相当数存在したことが事実として確認されたということでもある。無効票の中には賛成を意味する「可」という字を使わず「可」に丸をつけたり、「可」の横に点を打って無効に分類された票もあったという。

■親朴に分類された比例代表の新人・再選・首都圏議員らが加勢

 セヌリ党内では、親朴系の大挙離脱が比例代表の初当選の一部と再選グループ、そして首都圏議員たちを中心に行われたという分析が出ている。まず新人の比例代表の場合、地域の民心でなく全体の民心を見るしかないが、表決が近づくにつれキム・ヒョンア、シン・ボラ、キム・ジョンソク、カン・ヒョサン議員など、一人二人と弾劾賛成に転じる人たちが現れはじめた。親朴系に分類されたカン・ヒョサン議員はこの日午前に文書を発表し、「保守の立場でも今日は新しく誕生する日にしなければならない」とし、弾劾案処理に意味を与えた。

 首都圏の議員たちも、セヌリ党の票田である慶尚道出身議員らに比べ弾劾に賛成する世論に敏感に反応せざるを得なかった。弾劾賛成を求める電話や携帯メッセージも彼らが最も多く受け取った。セヌリ党の再選議員らの地方区も、偶然にも京畿道が7人で最も多く、大都市のソウルと釜山(プサン)がそれぞれ5人と4人でこれに続く。

 これまで親朴系に分類されていたある首都圏再選議員は、この日の表決前にハンギョレとの電話インタビューで「派閥を超えて国会議員であれば民心を意識せざるを得ず、弾劾に反対する親朴系の規模も大きくない」とし、「今日の弾劾を起点に親朴・非朴の分類が消えると良い」と話した。また別の首都圏再選議員も「民心に逆行する強硬発言をした一部の議員たちのためにそのように見えるが、むしろその発言が彼らを孤立させている」と指摘した。「風が吹けばろうそくは消える」という態度が逆風を呼び、むしろろうそくを拡大させたという説明だ。

ソク・ジンファン、ユン・ヒョンジュン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/774061.html 韓国語原文入力:2016-12-09 20:43修正:2016-12-09 22:16
訳M.C(2786字)

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