朴槿恵(パク・クネ)大統領弾劾審判の主な変数は、パク・ハンチョル憲法裁判所長とイ・ジョンミ裁判官の任期満了だ。裁判官9人のうち2人の任期がそれぞれ来年1月と3月に満了し、弾劾訴追案の内容と関係なく「場外変数」になっている。
李明博(イ・ミョンバク)前大統領が2011年2月1日に裁判官に任命したパク・ハンチョル憲法裁判所長の任期は、2017年1月31日に終わる。パク憲法裁判所長の後任は空席になる可能性が高い。憲法裁判所長は大統領が任命しなければならないが、パク大統領は国会の弾劾訴追案通過により職務が停止された。大統領権限代行である黄教安(ファン・ギョアン)首相に憲法裁判所長を任命する権限があるかも論議があるが、憲法裁判所法第12条は、国会の同意を受けることを定めており、黄首相が任命を強行することもできない。
イ・ジョンミ裁判官は2011年3月14日に大法院(最高裁)長の指名持分で任命された。イ裁判官も来年3月13日に任期が終わる。イ裁判官はパク憲法裁判所長とは異なり、大法院長の指名持分であるため後任が任命される可能性が高い。
大統領の職務権限停止による国政空白状態を最小化しなければならないという共感があって、パク・ハンチョル憲法裁判所長の任期が終了する来年1月31日までに憲法裁判所が弾劾審判の結論を下さなければならないという指摘がある。建国大法学専門大学院のハン・サンヒ教授は「国民の関心が高く、大統領職務が停止した状態であるため、憲法裁判所は政治と社会を早く安定させる義務がある」として「憲法裁判所長が任期終了前に責任をもって朴大統領の弾劾可否を決めなければならない」と話した。大韓弁護士協会もこの日声明を出して「憲法裁判所長の任期が満了する2017年1月末以前に早く弾劾案を審判する」よう促した。
しかし事案が比較的簡単で、本人が事実関係を認めた盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領の弾劾審判でも棄却決定までに63日かかっており、パク憲法裁判所長の任期が満了する時点までの53日間以内に憲法裁判所が結論を下すことは容易ではないという展望も多い。
憲法裁判所が来年1月31日までに朴大統領弾劾審判の結論を下すことができなければ、憲法裁判所は所長空白の状態で評議を継続しなければならない。「憲法裁判所長の権限代行に関する規則」第3条は、憲法裁判所長空席の時、裁判官会議で選出された裁判官が権限を代行するよう定めている。憲法裁判所はこれまで、裁判官会議で任命日時が最も早い先任裁判官に権限代行を任せてきた。2006年チョン・ヒョスク憲法裁判所長候補者の国会同意が難航している時も、先任裁判官であるチュ・ソンヒ裁判官を裁判官全員一致で権限代行に選出したことがある。だが、イ・ジョンミ裁判官の任期もパク憲法裁判所長が退任してから2カ月後に終了するので、安定した裁判進行のためには次の先任裁判官であるキム・イス裁判官が憲法裁判所長権限代行を務めるのではという分析も出ている。憲法裁判所長は、憲法裁判所の審判を管掌する裁判官全員が参加する裁判部の裁判長を務める。弾劾は裁判官9人のうち6人以上の賛成で決定される。