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低所得・長時間労働に一人で育児…韓国の一人親56万人の厳しい現実

登録:2016-03-23 09:11 修正:2016-03-23 11:41
女性家族部が一人親家庭実態調査
2015年の一人親家庭の実態//ハンギョレ新聞社

月の所得189万ウォン、平均の半分
半数が1日10時間以上の長時間労働
臨時・日雇い37%…家事・育児5時間
77%が離婚、母子家庭が47%
政府は雇用・住居など支援を

 離婚や死別などにより一人で子供を育てる一人親世帯の所得水準は、全世帯に比べ半分を下回るものと調査された。また、一人親の就業者のうち半分は、1日10時間以上の長時間労働で生計を立てている。

 22日、女性家族部はこうした内容を含む「2015年一人親家族実態調査」の結果を発表した。今回の調査は、昨年5~12月に19歳未満の子どもを育てた親の2552世帯を対象に行われた。19歳未満の子供を育てる一人親の数は約56万人(2014年基準)と推定される。

 一人親になった理由は、離婚が77.1%で最も多かった。死別の15.8%がそれに続き、未婚などその他の事由が7.1%だった。平均年齢は43.1歳、子供の数は平均1.6人。家族構成では、母親が子どもを育てる母子世帯が47.3%で最も多かった。父親が育てる父子世帯が19.8%、母子または父子でない家族が一緒に暮らす世帯がそれぞれ17.8%と15.1%と続いた。

 一人親世帯の月平均所得は189万6千ウォン(約18万4千円)で、全世帯の月平均仮処分所得390万ウォン(約38万円、2014年家計金融・福祉調査基準)の48.7%水準だ。 住居事情も一般の人より悪く、住宅を保有する割合が2012年の23.5%から21.2%へと減った反面、賃貸住宅の比率は同期間17.8%から26.4%に高くなった。全国民の住宅保有率は53.6%(2014年住居実態調査を基準)だ。

 一人親の87.4%が就業状態ではあるが、臨時・日雇いが36.7%に達した。雇用安定性は悪化している。また社員1~4人の零細企業で働く一人親が回答者の45.5%に達した。勤労所得あるいは事業所得(自営業者)は、世帯主の性別により差が開いた。母子家庭は月平均147万5千ウォン(約14万3千円)に過ぎないのに比べ、父子世帯は204万2千ウォン(約19万8千円)だった。

 1日10時間以上の長時間勤務を強いられる場合も多かった。就業している一人親の48.2%がそう回答している。週5日制で勤務している親は29.8%にとどまり、決まった休日がない人も20.7%に上る。また、帰宅しても家事と子供の世話に母子家庭は1日5時間30分、父子世帯は1日4時間6分を使っていた。

 疲れた生活を送る一人親の中には、うつ病を経験する人たちも多い。最近1年間、連続して2週間以上、日常生活に支障があるほど悲しかったり絶望を感じたことがあったか調査した結果、一人親の20.2%が経験したと答えた。一般成人の2倍ほどになる。さらにうつ病を経験した一人親の54.0%は一人で我慢し、21.9%はお酒を飲んで解決すると答えた。

 一人親は養育費や教育費の負担などを最大の難点に挙げている。離婚や未婚の一人親の78%は元の配偶者から養育費を受け取る債権がない。政府の支援を受ける基礎生活保障受給者や次上位階層(最低生活費を少し上回る所得の潜在的貧困層)、または低所得の一人親の割合は41.5%になり、3年前より11.1%ポイントも増えた。政府は12歳以下の子どもを持つ低所得の一人親に毎月10万ウォン(約9万7千円)の養育費を支援しているが、政策効果を出すには力不足だ。女性家族部のキム・ガロ家族支援課長は「2017年までに月15万ウォンに養育費支援を増やすことを目標としている。一人親の雇用、子どものケア、住居などに対する支援を総合的に強化していく」と明らかにした。

ファン・ボヨン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-03-22 22:17

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/736296.html 訳Y.B

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