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“北風”でパン・ギムン大統領待望論にブレーキ?

登録:2015-05-21 08:22 修正:2015-05-21 11:16

北朝鮮、たった一日で前言翻し訪朝不許可
本人は政治に関心がないと言うが
「訪朝が成功していれば支持率上がったはず」

パン・ギムン国連事務総長が20日午後、ソウルの梨花女子大学で開催された名誉文学博士(女性学)の学位授与式の学位受諾演説をしている途中で水を飲んでいる。パン事務総長の開城工団訪問はこの日未明、北朝鮮の不許可方針通報で霧散した=キム・ソングァン記者//ハンギョレ新聞社

 20日、パン・ギムン国連事務総長の開城(ケソン)訪問が取り消されたことをめぐり、政界では「ソンワンジョン・ゲート」に続き、パン総長の大統領選への動きにブレーキがかかったとする見方がでている。パン総長自身は政治に関心がないと明言しているが、政界では「パン・ギムン待望論」が一向に消えようとしない。

 この日失敗に終わったパン総長の開城訪問は、韓国人国連事務総長の初めての北朝鮮訪問になるという点で、韓国はもちろん世界的な関心を引く事案だった。パン総長としては、今回の訪問を通じ李明博(イ・ミョンバク)・朴槿恵(パク・クネ)政権で硬直した南北関係に対話の雰囲気を作れたなら、“統一大統領”のイメージも得ることができた。

 セヌリ党のある重鎮議員は「開城工業団地への訪問が実現していたらパン総長の支持率はより一層高まった」とし「国民の間では、パン総長を南北関係を解決できる調停者と考える傾向がさらに強まったことだろう」と述べた。パン総長の退任時期が2016年12月で、国連事務総長から退くと直ちに大統領選挙シーズンになる点も、パン総長待望論を煽ってきた。

 パン・ギムン待望論は昨年から提起された。金武星(キム・ムソン)セヌリ党代表と党内で争ってきた親朴槿恵系の集い「国家競争力強化フォーラム」は昨年10月、パン総長の大統領選挙出馬の有無を主題にセミナーを開き、野党圏でも東橋洞系(金大中元大統領系)座長のクォン・ノガプ新政治民主連合常任顧問が「パン総長側近がパン総長の野党圏大統領選挙出馬問題を打診してきた」と明らかにしたこともある。また、一部ではパン総長が19日の記者会見で「(大統領選挙)世論調査に私を含まないほうがいい」と言ったものの、明確に「大統領選不出馬」を約束していない点をあげ、可能性を残そうとしているのではないかとも指摘される。

 政界周辺の展望は分かれる。セヌリ党のある親朴系議員は「パン総長の親朴系大統領選候補論は小説」と断じたし、ある忠清圏の議員も「パン総長は忠清出身ではあるが、パン総長を大統領候補と考える議員は多くない」と明かした。同党の3選議員は「ソンワンジョン・リスト事件にパン総長まで取り沙汰され、彼に現実の政治経験が少ないという点は悪い材料として作用する可能性が高い」と指摘し、「今回の開城工業団地訪問不許可もパン総長の立場としては恥をかかされたことになる」と語った。

 それに対しシン・ユル明智大教授(政治学)は「パン総長が国連事務総長任期を終え衣錦還郷すれば、次期大統領選挙走者として十分に可能性がある」と指摘し、「事前に大統領選挙出馬を宣言しマスコミの検証を受けるより、大統領選挙直前に突然登場する可能性もある。出馬するなら次期大統領選挙候補が多い野党より、金武星代表が独走する与党候補から出るものと見られる」と見通した。

キム・ギョンウク記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-05-21 02:08

https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/692171.html 訳Y.B

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