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一日で前言翻した北朝鮮...パン国連事務総長の開城工団訪問許可を撤回

登録:2015-05-20 23:02 修正:2015-05-21 06:47
 外交慣例を無視して訪朝許可せず
 「核打撃手段の小型化」の主張も
 パン総長・韓国政府「非常に遺憾」
パン・ギムン国連事務総長が20日午後、ソウルの梨花女子大学で開催された名誉文学博士(女性学)の学位授与式の学位受諾演説をしている途中で水を飲んでいる。パン事務総長の開城工団訪問はこの日未明、北朝鮮の不許可方針通報で霧散した=キム・ソングァン記者//ハンギョレ新聞社

 21日に予定されていたパン・ギムン国連事務総長の開城(ケソン)工業団地訪問が、北朝鮮当局の前言撤回により霧散した。来年末任期を終える前に北朝鮮を訪問し、南北関係の改善と朝鮮半島の平和定着に積極的な役割を果たすというパン総長の構想にも赤信号が点った。

 パン総長は20日午前、ソウル東大門デザインプラザで開かれたソウルデジタルフォーラムの祝辞で「今日未明、北朝鮮は急に外交ルートを通じて私の開城工団の訪問の許可決定を撤回すると知らせてきた」とし「このような突然の撤回の理由について何の説明がなかった。このような平壌(ピョンヤン)の決定について、非常に遺憾である」と述べた。

 北朝鮮は、米国ニューヨーク駐在の国連代表部を通じて事務総長室に不許可の方針を通知したと伝えられた。パン事務総長は、前日の19日午後4時40分頃、訪朝の事実を発表し、「最終確定したのが、今日(19日)午前」だと述べた。北朝鮮が開城工業団地訪問を許可する方針を示してから、一日で立場を180度変えたのだ。

 国際的な慣例を無視した、北朝鮮当局の突然の許可撤回の背景は不透明だ。パン総長が19日、「北朝鮮の核・ミサイル開発は国連安全保障理事会の関連決議違反事項」だとし、北朝鮮の開放を促したことに対する不満の表出ではないかという分析も一部から出ている。

 北朝鮮は20日午後、国防委員会政策局の報道官声明を通じて、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)射出試験のための国際社会の懸念と批判に強く反発するなど、一層強硬な態度に転じた。声明は「私たちの核打撃手段は、本格的な小型化・多種化段階に入って久しい」とし「むやみに挑戦するな」と威嚇した。特に、国連安保理の対北朝鮮制裁決議を取り上げ、「国連安保理が主権尊重と内政不干渉の原則を放棄した機構に転落した」と批判した。

 イム・ビョンチョル統一部報道官は、北朝鮮当局がパン総長の訪朝許可を撤回したことについて「遺憾に思う」と発表した。

 パン総長が、今回の開城工業団地訪問とは別に進めてきた「平壌訪問」を、引き続き進めるだろうという予想も、一部から出ている。パン事務総長はこの日、訪朝が霧散したことについて遺憾を表明したのに続き、「私は国連事務総長として、北朝鮮側が朝鮮半島の平和と安定のために、国際社会と協力することを促す努力も惜しまないつもりだ」と述べた。

キム・ウェヒョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-05-20 20:15

https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/692170.html  訳H.J

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