チョ前副社長「最終的な判断は機長が下した」責任転嫁
「乗組員のマニュアル違反明らか...間違いに対する指摘は現場で」主張も
パク・チャンジン事務長「『飛行機止めて』と言ったのは明らかな事実,
まるで獣が獲物を探すように牙を剝きながら暴行した」
チョ・ヒョナ前大韓航空副社長(41)は2日の結審公判で「飛行機を引き返させたことはない」と航空保安法上の航路変更容疑を否認した。また、「乗務員のマニュアル違反は極めて明白な事実」と重ねて強調した。
ソウル西部地裁刑事12部(裁判長オ・ソンウ)の審理で開かれた結審公判でチョ前副社長は、昨年12月5日、米国ニューヨーク発A380航空機を止めるようにしたのは、「サービスの腹が立ったため」としながらも、「飛行機を引き返させたことはない」とした。また、ランプリターンに関連し「機長に最終的な判断を委ねた」とし、自身が強制的に回航させたことはないと主張した。パク・チャンジン事務長を飛行機から降ろしたが、飛行機を止めたり引き返したのは機長の責任に属するという主張を展開したものと分析される。
チョ前副社長は、検察の尋問で、パク事務長と乗務員がサービスマニュアルに違反したことが事件の発端と主張した。 「だとしても現場(機内)での行動は正当なのか」という検事の質問には、「間違った部分に対する指摘は現場で行わなければならない」とし「その後の行動は間違っていたと思う」と頭を下げた。彼女は暴言と暴行はおおむね認めたが、マニュアルが含まれているファイルホルダーを振り下ろしパク事務長の手の甲を叩いた事実はないと主張した。
チョ前副社長は、自分にはパク事務長を飛行機から降ろす権限がないとしながらも、こうした行動は「業務に対する意欲のため」だとした。裁判長が「普段も従業員に対し横柄な態度を取るという指摘がある」と言うと「そうではない」と主張した。 「普段の態度」についての質疑が続き、公判終盤には涙を流す場面もあった。
チョ前副社長の陳述は、「小さな暴行」容疑は素直に認めながらも、法定刑が懲役1年以上で重い航路変更容疑は積極的に否認したものと解釈される。
被害者であるパク事務長は証人として出席し、事件後2カ月ぶりにチョ前副社長と対面した。パク事務長はチョ前副社長に先立って行われた証人尋問で「(チョ前副社長の)人権蹂躙」に言及し、激昂した感情を露わにしたした。彼は「米国の空港で私は多分一度殺されたと思う。一人の人間としての存在感を奪われた。まるで封建時代の奴隷のように一方的な犠牲だけを強いられた」と述べた。それとともに、当時のチョ前副社長の姿を「まるで獣が獲物を探すように牙を剝きながら...暴行をしながら...これ以上話が通じなかった」と描写した。チョ前副社長の代理人であるソ・チャンヒ弁護士の陳述の信憑性を問題視すると、「チョ前副社長が『この飛行機は飛ばさない。止めて』という発言をしたのは明らかな事実だ」と釘を刺した。
パク事務長は、検事が「“関心社員”として管理されたそうだが、どう思うか」と尋ねると、「実際にそのような試みが何度もあり、今でもそうだと思う」と答えた。これに先立ち裁判部は、パク事務長が継続勤務できるかどうかを調べ、チョ前副社長の量刑(刑量を定めるもの)に酌量すると明らかにした。過去公判にチョ前副社長の父であるチョ・ヤンホ韓進グループ会長を出席させ、「会社生活に問題がないようにする」という「確約」を取ったこともあった。パク事務長のこのような陳述が量刑判断にどのような影響を与えるか注目される。
パク事務長は「単純労働者、消耗品のような存在だが、チョ前副社長とオーナー一家は永遠にその場にいる。 (チョ前副社長は)私が19年間会社を愛していたその心、また仲間の思いを汲み取って、より大きな経営者になるきっかけにしていただきたい」と話ながら涙を流した。
韓国語原文入力:2015.02.02 21:00