「副社長である以前に会場の娘だ。副社長のパワーは他の誰よりも強力なのにどうやって逆らえるのか?」
弁護士の再三の質問に女性乗務員は財閥総帥一家の“パワー”に言及した。航空機強制回航と機内暴動容疑で拘束起訴されたチョ・ヒョナ前大韓航空副社長(41)の第2回公判が開かれた30日。米国ニューヨーク発の航空機の中でナッツのサービスを提供したが、「マニュアル」を問題視したチョ前副社長から暴言と暴行を受けた大韓航空のキム乗務員が、ため息をつきながらチョ前副社長の弁護人の質問に答えた。弁護人は、キム乗務員に「元々跪いてサービスするのではないか」「脅迫があったのか」と”有利な答弁”を引き出すために質問攻勢に出ていた状況だった。
キム乗組員は、ソウル西部地裁刑事合意12部(裁判長オ・ソンウ)の審理で開かれたこの日の公判に、証人として出席した。彼女は「サービスマニュアル改訂がどのように行われるのか」という裁判官の質問に「会長と副社長が飛行してから気に入らないと言うと、すぐ変えられた」と証言した。キム乗組員は陳述途中に感情がこみ上げ涙を流す場面もあったが、「チョ前副社長の行動をどう思うか」という質問には「機内での乱暴と見ることができる」とし、比較的にきっぱりと答えた。
特にキム乗組員は、「先月中旬会社の関係者が母親に電話をして『この事件を解決するためには、大きなイベントが必要である。チョ前副社長が直接家に訪ねて謝罪したいと思う。謝罪に協力してくれれば(韓進グループの系列の学校で)教授職に就く機会があるかもしれない』と話していた」と証言した。検察の捜査を控え大韓航空が懐柔に乗り出したのである。キム乗組員は、「謝罪を受ける気がなかったので、チョ前副社長を避けて三日間帰宅しなかった。パク・チャンジン事務長がテレビで『教授職を提案された女性乗務員が偽証をした』と言ったのは事実ではない。名誉を回復したい」と涙声で話した。
これに先立ちチョ前副社長に強制的に降機措置されたパク事務長は、テレビのインタビューで「女性乗務員が会社に懐柔され国土交通省と検察の調査で虚偽の陳述をした」と述べている。
キム乗組員は、裁判官から「チョ前副社長から真の謝罪を受けたと思うのか」との質問に「謝罪を受けたことはない」と答えた。彼女は「高校の時からスチュワーデスを夢見て、(韓進グループの系列である)仁荷高専で180人の学生とともに大韓航空のために勉強した。戻って働きたいが私に対する誤った報道で再び制服を着ることはできないと思う」と述べた。
証人尋問が終わった後、「キム氏に言いたいことがあれば言ってください」との裁判官の言葉に、チョ前副社長は弁護人と相談後、「心から謝罪する」と短く言った。
一方、第1回公判で裁判部が証人として採択したチョ前副社長の父チョ・ヤンホ韓進グループ会長はこの日、法廷に出席し「大韓航空を応援して下さったすべての方に心より謝罪する。 (出席を求めた)裁判所の判断を尊重することが道理だと思って出てきた」と述べた。
韓国語原文入力: : 2015.01.30 19:30