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米中首脳会談、雰囲気リードした米国が実利を獲得

登録:2017-04-09 22:54 修正:2017-04-10 07:20
中国は名分を得たが、当初の目標に及ばなかったよう 
中国の要求である「新型大国関係」は反映されず 
米国は南シナ海関連、人工島建設と軍基地化問題取り上げ 
貿易に関連して「100日計画」成果として挙げる 
中国は首脳間の個人的親交形成及び長期協力枠組み構築
ドナルド・トランプ米大統領など米国側関係者(左)と中国の習近平国家主席など中国側関係者が7日、米フロリダ州のマララーゴ・リゾートで会談を行っている=ウェストパームビーチ/AP聯合ニュース

 ドナルド・トランプ大統領の就任後初めて行われた中国の習近平国家主席との首脳会談は、米国側では具体的な実利を、中国側では名分と長期的な協力枠を得ることで幕を下ろした。しかし、会談前から攻勢的立場を取った米国が全般的に雰囲気をリードし、会談の結果も中国としては当初の目標に及ばなかったという評価が多い。

 今後の米中関係を規定する基調と関連して、中国側は米国との「パートナー関係」という表現を声明に明示することを目標にしたが、願いは叶わなかったとみられる。これは2012年以来、習近平主席が強調してきた、米中両国が相互の核心利益を尊重する「新型大国関係」を米国に認めてほしいという要求だった。しかし米国の声明によると、「相互尊重の基礎の上で、差異を管理し、協力領域を拡大するよう努力する」という発表にとどまった。

 具体的な安全保障の焦点と関連しても、中国側は核心利益に対する保障は受けられなかった。中国の人工島建設と軍事基地化で話題になった南シナ海問題と関連して、米国は「トランプ大統領が南シナ海で国際規範遵守の重要性と非軍事化に対する中国の以前の約束について言及した」と明らかにした。しかし、中国側の発表資料には南シナ海関連の言及が全くない。この争点と関連して、会談のムードが中国に不利だったことを推し量ることができる。

 貿易・通商分野と関連しては、いわゆる「100日計画」が会談の成果物として浮上したが、これも中国がトランプ大統領に与える「訪米プレゼント」に近いという評価が多かった。ウィルバー・ロス米商務長官は、会談直後の記者会見で「(今回の首脳会談の)最も重要な成果は『100日計画』」だとし、「この計画の目標は、米国の輸出を増やし貿易赤字を縮小するもの」だと明らかにした。しかし、ロス長官は内容や今後の日程については紹介しなかった。

 「100日計画」が中国の一方的なプレゼントというよりは、中国が望む協力も推進するための長期的布石だという分析もある。亜洲大学のキム・フンギュ中国政策研究所長は「米国が希望しているのは、中国内のサービス市場の拡大や米国向け投資促進のための環境改善であり、中国は米国の高級技術力へのアプローチ強化などに関心が高い」とし、「相互交換のための高度な代案」だと解釈した。

 中国側は交渉の最低目標値だったトランプ大統領と習主席の個人的親交の形成、これを通じたトランプ大統領の予測不可能性の解消という所期の成果は得たと考えられる。トランプ大統領はこの日の首脳会談を終えた後、「習主席と私が構築した関係はとても良いと思う。習主席と中国のすべての会談代表団と共にすることができて本当に楽しかった」と明らかにした。米中間に外交安保対話、包括的経済対話、法執行およびサイバー安保対話、社会文化対話など、対話のチャンネル数と分野を拡大し、安定的な関係の構築に向けた制度的基盤をつくることができたのも中国側の成果として挙げられる。

 しかし、米中両首脳の今回の初めての出会いで、両国の根本的な戦略的不信と二人の「ストロングマン」の個人的信頼関係がはっきりと形成されたと見る専門家は多くない。トランプ大統領は首脳会談翌日の8日(現地時間)、ツイッターを通じて「莫大な親善と友情は形成されたが、貿易問題はひとえに時間が語るだろう」とし、中国を圧迫した。中国の態度を見守るという意味だ。全般的な米中関係の方向性は、今年秋頃と推定されるトランプ大統領の訪中まで見守らなければならないとみられる。

ワシントン/イ・ヨンイン特派員、キム・ジウン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/america/789943.html 韓国語原文入力:2017-04-09 20:59
訳M.C(1843字)

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