ドナルド・トランプ米政権が発足後初めて北朝鮮の石炭販売企業と個人11人に対して制裁を加えた。
米国財務省は先月31日(現地時間)独自の対北朝鮮制裁行政命令を根拠に、北朝鮮石炭・鉄鉱石、金属の販売と供給をしてきた「ペクソル貿易」と中国、ロシア、ベトナム、キューバなど第3国で北朝鮮貿易や金融支援活動を行ってきた北朝鮮人11人を制裁対象に追加したと明らかにした。
まず、財務省がペクソル貿易を制裁対象にあげたのは、今後北朝鮮産石炭や金属を輸入する中国企業に対しても“違法行為”を根拠に制裁を加えられるという警告のメッセージを送ったものと見られる。ただし、北朝鮮が新たな偽装会社を作って制裁を回避できるという点で、実効性はあまり期待できない。
また、今回の制裁対象に新たにあがった11人は武器販売及び化学兵器プログラムの支援を行っているリョンボン貿易総会社、端川商業銀行、朝鮮貿易銀行など国連安全保障理事会や米国の対北朝鮮制裁をすでに受けていた貿易会社と銀行の代表であるか、支援活動をしてきた人物だ。彼らが海外で活動する人物という点で、北朝鮮の国際的な人的ネットワークを遮断するという意図が反映されたものと見られる。スティーブン・ムニューチン米財務長官も「今回の制裁は北朝鮮が違法な核・弾道ミサイル・核拡散プログラムに資金を供給するために使用するネットワークと方法を切り崩すことを目標にしている」と明らかにした。
米国の制裁リストに載ると、米国内の資産が凍結され、米国人や米国企業とこれらの間の取引が禁止される。今回の制裁対象者たちが米国企業と取引したり、米国に資産を置いている可能性はほとんどなく、実効性よりは象徴性を狙ったものと分析される。米国の今回の処置が今月6~7日に行われる米中首脳会談に先立ち、対北朝鮮制裁の強化に参加するよう中国を圧迫するためという分析もある。北朝鮮と正常な取引をする中国企業に対しても制裁する「セカンダリー・ボイコット」は今回の首脳会談の議題にはあがらないとされる。