アフリカ大陸ケニア北東部のワジル郡近くの貯水池で、6頭のキリンがらせん状に重なり合って死んでいるのが発見された。
フォトジャーナリストが空から撮影した惨事の場面はケニアの深刻な干ばつを表わしており、人と動物が水と食糧を求めて死闘を繰り広げているということを伝えていると「ガーディアン」が15日に報じた。
すでにやせ細っていたキリンたちは、近くの貯水池を探し回っているうちに泥にはまり込んで死んだとみられる。キリンの死骸は、貯水池の水の汚染を防ぐために村の外に運ばれた。
危機に瀕しているのは動物だけではない。ケニアの干ばつ管理当局は9月、国土の半分で深刻な干ばつが発生し、210万人が飢餓に直面していると発表している。国連は14日(現地時間)、ケニアにおいて290万人にのぼる人々が依然として緊急の人道支援を必要としているとの推定を示した。国連の説明によると、一部地域の降水量は、ここ数十年で最少水準となっている。
国連人道問題調整事務所は、調査報告書で「人と家畜が必要とする水資源が枯渇し、家族は水を求めてより遠い距離を歩いて行かなければならない。特に干ばつは地域社会の緊張を高めるとともに、地域対立を煽る原因となりつつある」と診断した。
現地メディア「スターニュース」はウェブサイトで、4000頭のキリンが干ばつで絶滅の危機に瀕していると報じた。キリン保護区域のある職員は「農民たちが川辺で農業を営んでいるため野生動物が水に近づけず、状況がさらに悪化している」と語った。