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尹前大統領に当選無効刑確定の場合、与党「400億ウォン返還」で破産の可能性

登録:2025-04-09 08:13 修正:2025-04-09 08:35
イ・ジェミョン民主党代表を標的とした選挙補助金「返還逃れ」防止法案がブーメランに
汝矣島にある与党「国民の力」の本部/聯合ニュース

 罷免された尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領が不訴追特権を失ったことで、大統領選の選挙補助金の返還に直結する犯罪容疑の捜査に注目が集まっている。尹前大統領が起訴されて当選無効刑が確定した場合、与党「国民の力」は397億ウォン(約39億円)にのぼる選挙補助金を返還せねばならないため、党の存立が危うくなる。

 祖国革新党のファン・ウンハ院内代表は7日に国会で行われた最高委員会議で、「尹錫悦大統領候補(当時)の公職選挙法違反事件の捜査は、至急再開されなければならない」と述べた。尹前大統領は、前回の大統領選の過程で(夫人の)キム・ゴンヒ氏の「ドイツモーターズ株価操作疑惑」について虚偽の事実を公表した疑いで、検察に告発されている。この間、憲法に規定されている大統領の不訴追特権によって公訴時効が停止されていた公職選挙法違反事件の扉は、今月4日の罷免を起点として開かれた状態だ。

 尹前大統領は2021年12月の大統領候補時代に、寛勲クラブ主催の討論会で「新韓銀行の口座でドイツモーターズ株を売買したのは数日に過ぎない」、「数千万ウォンの損害を被った」と主張したが、その後の株価操作一味の公判で、キム氏が2010年10月から2011年3月にかけて複数の証券会社の口座で40回あまりドイツモーターズ株を取り引きしていたことが明らかになった。また、ソウル中央地検反腐敗捜査部が裁判所に提出した意見書によると、2011年12月30日の時点でキム氏と母親のチェ・ウンスン氏がドイツモーターズ株を売って稼いだ金額は21億ウォンを超え、未実現差益を含めれば23億ウォンの利益を上げていたことが明らかになっている。

 不訴追特権の盾がなくなった尹前大統領は、検察による捜査が避けられないものとみられる。先に検察は同じ容疑で野党「共に民主党」のイ・ジェミョン代表を起訴しているため、野党は公平性の観点からも尹前大統領を起訴すべきだと主張している。同事件の公訴時効の満了は8月だといい、まだ4カ月あまりの時間が残っている。

 尹前大統領が起訴されて罰金100万ウォン以上の当選無効刑が確定すれば、国民の力は400億ウォンに迫る大統領選の選挙補助金を返還しなければならない。イ代表が公職選挙法違反事件で一審で当選無効刑が言い渡された際に、選挙補助金返還から逃れないよう防止法案まで提出して攻勢をかけた国民の力としては、立場が180度変わることになるわけだ。イ代表は二審で無罪を言い渡され、最高裁の判決を待っている。

 「ミョン・テギュン・ゲート」も選挙補助金返還に直結している。尹前大統領は前回の大統領選挙の際、ミョン氏から違法な世論調査の供与を受け、その見返りとしてミョン氏による国会議員候補の公認依頼に応じた疑い(政治資金法・公職選挙法違反)が持たれているが、これも100万ウォン以上の罰金刑が確定すると選挙補助金の返還義務が生じる。

 民主党のミョン・テギュン・ゲート真相調査団の団長を務めるソ・ヨンギョ議員は、7日に国会で行われた真相調査団の全体会議で、「尹錫悦は当選からして無効」だとして、「国民の力は、ミョン・テギュン・ゲート特検法は『国民の力壊滅法』だと言っているが、当選無効刑になれば国民の力が受け取った397億ウォンの大統領選挙補助金をすべて返還しなければならない」と主張した。

シム・ウサム記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1191321.html韓国語原文入力:2025-04-08 15:14
訳D.K

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