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【社説】官邸からの退去を先送りする尹前大統領、何を企んでいるのか

登録:2025-04-08 06:35 修正:2025-04-08 08:23
7日、尹錫悦前大統領夫妻が滞在しているソウル漢南洞の官邸で、人々が慌ただしく移動している/聯合ニュース

 憲法裁判所の全員一致の決定で罷免された尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領が、ソウル漢南洞(ハンナムドン)の官邸からの退去を先送りしている。朴槿恵(パク・クネ)前大統領は罷免されて2日後に大統領府を離れたが、尹前大統領は早くても今週末に退去するという。大統領室は警護問題を理由に挙げているが、朴元大統領の事例と比べると言い訳に過ぎない。尹前大統領夫妻が引っ越しを遅らせている本当の理由は何か。

 尹前大統領は憲法裁の決定から4日目を迎えた7日にも官邸を離れなかった。朴元大統領の罷免決定から退去までかかった56時間をすでにはるかに越えた。大統領室はまだ退去の日が決まっていないという。ソウル瑞草洞(ソチョドン)の自宅に対する整備と警護問題で時間がかかるということだ。しかし、尹前大統領が退去を先送りすることは見過ごせない問題だ。尹前大統領夫妻は容疑者として予定された捜査が一つや二つではないため、「証拠隠滅」の恐れがある。容疑者が生活する住居は捜査機関の主な家宅捜索対象だ。

 不訴追特権がなくなったことで、尹前大統領夫妻を向けられた捜査は列をなして待機している。捜査結果によっては、尹前大統領が再拘束される可能性もある。尹前大統領は現在裁判中の内乱首謀の容疑以外にも、高位公職者犯罪捜査処の逮捕状執行を阻止した容疑(特殊公務執行妨害)で立件されている。公捜処が1年以上捜査中の「(殉職海兵隊員)C上等兵捜査への圧力疑惑」と、尹前大統領夫妻がかかわった「(政治ブローカーの)ミョン・テギュン・ゲート」もある。このような状況で、尹前大統領が引き続き官邸に留まることは、証拠隠滅のチャンスになる。官邸で事件関係者を呼んで「口裏合わせ」をしたり、警護処の職員を懐柔または圧迫する可能性も十分ある。

 一部では漢南洞の官邸にあるスクリーンゴルフ場など「未公開施設」に対する処理問題で退去が遅れているのではないかという噂も流れている。昨年11月の国会国政監査で、野党は官邸にサウナやスクリーンゴルフ場など「豪華な施設」があるという疑惑を持ち上げた。警護処はこれを否定したが、事実と確認されれば、不正容疑が加わる可能性もある。尹前大統領は憲法裁決定直後、官邸に与党「国民の力」のクォン・ヨンセ非常対策委員長、クォン・ソンドン院内代表らを呼び、「大統領選挙での勝利」を求めた。自分の支持層に対し「皆さんのそばにいる」というメッセージも出した。国憲を乱す目的で内乱を起こし、罷免されたのに、「官邸政治」を行うつもりなのか。そんな暇があるなら、早く引越しの荷物をまとめ、取り調べと裁判を受ける準備を整えるべきだ。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1191183.html韓国語原文入力:2025-04-08 01:18
訳H.J

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