尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が29~30日にスペインのマドリードで開かれる北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に出席するため、27日に出国した。先月10日の就任から49日で行われる初の海外訪問で、尹大統領にとっては多国間外交舞台への本格的なデビューとなる。
尹大統領は同日午後1時54分、京畿道城南市(ソンナムシ)のソウル空港に夫人のキム・ゴンヒ女史とともに到着し、空軍1号機に搭乗した。万が一の北朝鮮の挑発状況などに備えるため、ソウルに残ることにしたキム・ソンハン安保室長やキム・デギ秘書室長、イ・ジンボク政務首席に加え、国民の力のクォン・ソンドン院内代表が滑走路で尹大統領夫妻を見送った。
韓国大統領が西側諸国の代表的な軍事同盟の一つであるNATO首脳会議に出席するのは今回が初めて。尹大統領は3泊5日の日程で、韓米日3カ国首脳会談(29日)、NATO同盟国やパートナー国との首脳会談に出席するなど、合わせて14件の外交日程をこなす予定だ。これを通じて主な通商パートナーである欧州諸国などと関係を強化する一方、朝鮮半島の安全保障状況に対する関心と支持も要請する方針だ。特に今回の首脳会議は、ロシアのウクライナ侵攻状況と米中覇権争いの構図の中で開催され、関心を集めている。NATOは今回の会議で、中国への対応を含む新たな「戦略概念」を採択する予定であり、米中新冷戦状況で韓国外交も試験台に立たされるとみられる。
スペイン現地時間27日の夜に到着した尹大統領は、休息を取った後、28日午後、韓国とフィンランドの2カ国会談を皮切りに、公式日程を始める。その後、NATOのイェンス・ストルテルベルグ事務総長と面会し、夫人のキム女史と共にスペインのフェリペ6世国王夫妻が主催する晩餐会に出席する予定だ。
尹大統領は30日まで続く欧州主要国との2カ国会談で、経済安全保障をテーマに本格的な原発・エネルギーのセールス外交に乗り出す。28日夜の晩餐会には出席国の首脳が揃うため、日本の岸田文雄首相と初めて会う可能性がある。