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尹大統領、初の多国間外交の舞台へ…29日にNATO演説と韓米日会談も

登録:2022-06-27 07:25 修正:2022-06-27 08:01
NATO首脳会議参加…27日に出国 
大統領室「少なくとも14の外交行事に参加」 
韓米日首脳、4年9カ月ぶりに会談 
米主導の西側諸国の協力体に密着するかたちに 
関心集めた韓日首脳会談は不発
24日、尹錫悦大統領が龍山の大統領室に出勤し、記者団の質問に答えている=大統領室写真記者団//ハンギョレ新聞社

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は、29~30日にスペインのマドリードで開かれる北大西洋条約機構(NATO)首脳会議への参加のため、27日出国する。多国間外交の舞台デビュー戦である今回のNATO首脳会議の期間中には、4年9カ月ぶりとなる韓米日首脳会談も予定されている。韓国が米国主導の西側諸国中心の協力体と密着し、朝鮮半島情勢をめぐる韓米日3カ国協力を本格化するとみられることになり、今後の対中・対ロシア外交に負担として作用する可能性も高まった。

 大統領室関係者は26日午後、ソウル龍山(ヨンサン)の大統領室で行った記者会見で、「尹大統領は今回の歴訪の間に、少なくとも14の外交行事に参加する予定」だと明らかにした。韓国の大統領が西側の代表的な軍事同盟機構であるNATOの首脳会議に参加するのは、今回が初めて。

 今回の歴訪での最大の関心事である尹大統領のNATO会議演説と韓米日首脳会談は、ともに29日(現地時間)に行われる。午後2時30分に行われる韓米日首脳会談について、大統領室関係者は「域内の安全保障事項について、首脳間で深い対話が続くことを期待する」と述べた。ただし、会談時間は30分以下であることがわかり、本格的な議題を論議するよりは、中国と北朝鮮への対応など、今後の3カ国協力のための挨拶の性格を帯びるものとみられる。

 関係改善の雰囲気が続き、期待を集めていた韓日首脳間の会談は、公式の首脳会談はもちろん、略式(pull aside)会談形態でも行われない雰囲気だ。大統領室関係者は「韓米日では朝鮮半島情勢に照らし合わせて論議する内容があるが、韓国と日本は、解決しなければならない過去の問題などについて話を交わしたことがない。話を始めた際にメディアに答えることがないのであれば、しないほうがいいのではないかということ」だと述べ、可能性は低いとした。両国の政治的な状況などにより、関連議題の調整が行われなかったという趣旨だ。同関係者はこれに関連して、「29日に金浦(キンポ)~羽田間の航空路線が再開されれば、民間交流が再開され、7月の日本の参院選以降、韓日外相会談にはずみをつけることになるだろう」と述べた。同関係者は「実務レベルで、強制徴用問題を含む韓日間の懸案を解決するモメンタム(勢い)が設けられるものとみている。その後、韓日シャトル首脳外交も議論できるようになるだろう」と見通した。

 尹大統領は、29日の「NATO同盟国およびパートナー国首脳会議」での3分演説で、複合的な国際安全保障危機に備えるための韓国の積極的な役割に言及する予定だ。大統領室関係者は「ウクライナ戦争と北朝鮮核問題の状況がともに深刻な安全保障事項だという点を強調し、NATO諸国の協力を促す予定」だと伝えた。今回の会議を機に、民主主義陣営と権威主義体制間の対立の様相がいっそう明確になるという予想が出ているなか、尹大統領の動きが米国の主導する西側の協力体と密着することになると予想され、対中・対ロシア関係では韓国外交に負担になりうる。特にNATOは今回の会議で、中国への対策を含む新たな「戦略概念」を採択する予定だ。

 大統領夫人のキム・ゴンヒ女史も、今回のNATO首脳会議に同行し、「ファーストレディーとしての外交舞台」にデビューする。尹大統領とキム女史は、28日にはスペイン国王フェリペ6世が主催する晩餐会、29日にはスペイン在住の韓国人との晩餐懇談会に一緒に参加する予定だ。キム女史はさらに、NATO首脳会議に参加した各国首脳の配偶者が集まる「配偶者セッション」に参加し、サン・イルデフォンソ宮殿、ソフィア国立美術館、王立オペラ劇場など芸術関連の日程を消化する。大統領室関係者は「キム女史の専門分野であるだけに、積極的に交流できるだろう」と述べた。

キム・ミナ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1048533.html韓国語原文入力:2022-06-26 18:52
訳M.S

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