韓国と米国が21日、首脳会談を通じて先端技術とグローバル協力まで含む「包括的戦略同盟」への強化を推進する中、米国側が韓国政府に韓米日軍事演習とウクライナ兵器支援への参加を重ねて要求したことが分かった。大統領室は両事案について「協議したことはない」と否定した。
大統領室関係者は19日、記者団に「自由民主主義と人権という価値に基づき、価値同盟から技術同盟へと転換するその軸に米国と韓国が行動を共にするということ」だと述べた。政府はすでに米国主導の「インド太平洋経済枠組み」(IPEF)への参加を確定した。IPEFが米国主導のアジア太平洋地域の技術同盟で、中国を牽制する性格が強い機構であるにもかかわらず、政府が「創立メンバー」としての参加を確定したことで、米国を外交の主軸に置くという韓国政府の立場を明確に示したと言える。
また別の大統領室関係者はこの日、本紙との通話で「韓米首脳会談後に発表される共同宣言文には『経済安保のための緊密な対話チャンネル』という言葉を入れることにした」とし「このチャンネルを通じて経済安保イシューと関連した多くの議題を早く決めることができる」と述べた。米国の立場としては韓米安保チャンネルを常時稼動し、事実上、韓米日協力体系として活用できるという見通しも出ている。
韓米はまた、国外の原発市場への共同進出と次世代原発である小型モジュール原発(SMR)に関する技術協力についても話し合っている。大統領室関係者は「原発の共同輸出が韓米首脳会談共同宣言文に含まれる可能性が高い」と伝えた。SMRは中ロが強みを持っている分野だ。
このような中、米国側は首脳会談の事前協議の過程で、韓国政府に重ねて韓米日軍事演習とウクライナ兵器支援への参加を要求したと、政府関係者が伝えた。同関係者は「韓米首脳会談の議題のうち、北朝鮮の核に対応する拡張抑止強化案は、韓国が米国に要求したことだ」とし、「米国が韓国に要求しているものもある」と述べた。そして、「米国はウクライナへの兵器支援と韓米日軍事演習を要求したと聞いている」と述べた。さらに米国側が「先月東海に米国空母が来た時、米国と日本だけが訓練を行った。韓国も参加して共に訓練すればよかった。今後は韓米日共同軍事訓練を実施しよう」と呼び掛けたと語った。米軍の原子力空母「エイブラハム・リンカーン」は4月12日、東海上で日本の海上自衛隊と共同訓練を行った。米国は今年2~3月、韓米日ハイレベル協議の過程で、朝鮮半島水域で韓米日共同軍事訓練を行うことを繰り返し提案したが、文在寅(ムン・ジェイン)政権は北東アジア安全保障情勢の不安定と国民の強い拒否感などを理由にこれを拒否した。ウクライナの兵器支援についても、文在寅政権は「破壊兵器は朝鮮半島の安全保障状況などを考えると、支援するのが難しい」と断った事案だ。にもかかわらず、米国は新たに発足した尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権が韓米同盟と韓米日協力強化に前向きな態度を示していることを踏まえ、敏感な事案を再び持ち出したのだ。
大統領室側は「二つの事案が事前に話し合われたことはない」と述べた。大統領室の高官は「実務協議でそのような発言は全くなかった」とし、「両国が準備する合意文にはウクライナへの兵器支援や韓米日軍事演習に関する内容は一切ない」と語った。
バイデン米大統領は20日、2泊3日の日程で訪韓する。バイデン大統領は初日、尹錫悦大統領と京畿道平沢(ピョンテク)のサムスン電子半導体工場を訪問し、翌日には韓米首脳会談を行ってから歓迎晩餐会に出席する。彼は22日、烏山(オサン)米空軍基地を訪問した後、日本に向かう。