東シナ海に展開する米国の原子力空母エイブラハム・リンカーン(CVN-72、10万トン級)が15日ごろ東海(トンヘ)の公海上に入り、韓国海軍と訓練を行うことが分かった。米空母の東海入りは、北朝鮮が大陸間弾道弾を発射し、朝鮮半島の軍事的緊張が高まった2017年11月以来4年5カ月ぶり。北朝鮮が大陸間弾道弾を再び発射し、7回目の核実験の可能性が高まったことで、韓米が北朝鮮に警告のメッセージを発するというもの。
11日の軍関係者の説明を総合すると、リンカーンは15日ごろに東海の公海上に入り、5日間ほどとどまって韓米海軍合同演習を行う可能性が高い。韓米は、両国軍の主要指揮官が東海上の空母に集い、北朝鮮への警告メッセージを発することを検討しているという。
当初、米国は韓米日3国による合同演習を希望していたが、韓国の反対で3国演習は行わない見通しだ。リンカーンは東海の南方海上で日本の海上自衛隊と演習を行い、北上後は韓国海軍と海上演習を行う可能性もあるという。
米空母が東海へやって来るのは、金日成(キム・イルソン)主席の誕生日である太陽節(4月15日)などを機として大陸間弾道弾の追加発射、または核実験などが行われる可能性が提起されている中で実現する。北朝鮮が国際社会の度重なる警告にもかかわらず大陸間弾道弾の追加発射または核実験などを強行する場合に備えた、北朝鮮に対する圧迫抑制措置だというのが軍関係者たちの説明だ。リンカーンは全長333メートル、飛行甲板の幅78.4メートル、船幅40.84メートルで、ステルス戦闘機F35CやF/A-18スーパーホーネットなどの80機あまりの航空機を積んでおり、原子力潜水艦、イージス駆逐艦、ミサイル巡洋艦などと空母打撃群を組んで動く。
米空母の東海入りは、北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験や核実験などを相次いで実施した2017年11月以来、初めて。当時は米海軍の原子力空母ロナルド・レーガン(CVN-76)、セオドア・ルーズベルト(CVN-71)、ニミッツ(CVN-68)の3隻の空母が東海入りし、韓国海軍の艦艇と合同演習を行っている。
朝鮮半島近海での韓米海軍による合同演習を自国に対する武力示威とみなして対抗演習を行ってきた中国の、今後の対応にも関心が集まる。中国は2017年に朝鮮半島の軍事的緊張が高まったことで、韓米、米日による海軍合同演習があるたびに、近隣地域で大規模演習を行ったことを公開している。