北朝鮮が24日に東海(トンヘ)上に発射した長距離弾道ミサイル1発は、大陸間弾道ミサイル(ICBM)だと合同参謀本部が明らかにした。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は同日、自ら開催した国家安全保障会議(NSC)緊急会議で「金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長が国際社会に約束したICBM発射猶予(モラトリアム)を自ら破棄したもの」だと強く糾弾した。軍当局は同日午後、北朝鮮のミサイル発射への対抗措置として、海、空、地からミサイルを発射した。朝鮮半島情勢が、軍事的緊張が極度に高かった2018年以前に戻る様相だ。
合同参謀本部は「同日午後2時34分頃、平壌の順安(スナン)一帯から東海上に発射されたICBM1発を捉えた」とし「飛行距離は約1080キロメートル、高度は約6200キロメートル以上と探知した」と説明した。飛行時間は1時間10分ほどで、具体的なミサイルの種類は韓米情報当局が精密分析中だと説明した。速度はマッハ20と推定される。軍当局は同ミサイルが、最近北朝鮮が3回発射した新型ICBM「火星17型」とは異なる機種である可能性を念頭に置いているという。
合同参謀本部は今回のミサイルの飛行距離は約1080キロメートルだが、高角発射されたと説明した。高角発射は、ミサイルの射程距離を縮めるために通常30~45度の発射角度をわざと90度近く高める方式だ。正常な角度で発射したとすれば、今回のミサイルの射程距離は、米国ワシントンD.C.を打撃可能な1万~1万5千キロメートルだという。日本政府は、このミサイルが日本最北端の北海道渡島半島西方150キロメートルの日本海(東海)上に落ちたと説明した。
北朝鮮がICBMを発射したのは、2017年11月以降4年4カ月ぶり。2018年4月の朝米首脳会談を控え、北朝鮮が自ら核実験とICBMの試験発射を中止するとしたモラトリアム宣言も破棄された。
文在寅大統領はこの日、NSC緊急会議で「北朝鮮の今回の発射は、金正恩国務委員長が国際社会に約束したモラトリアムを自ら破棄したものであり、朝鮮半島と地域そして国際社会に深刻な脅威をもたらし、国連安保理決議を明確に違反したものであることを強調し、これを強く糾弾した」と大統領府が明らかにした。
これに先立ち、韓米両国が北朝鮮の2回にわたる新型ICBMの性能試験に対する分析を公開し、異例に「事前警告」を行ったが、北朝鮮がこの日発射を強行したことで、国際社会はさらなる対北朝鮮制裁などに乗り出すものとみられる。
外交部によると、ノ・ギュドク朝鮮半島平和交渉本部長は同日午後、米国のソン・キム対北朝鮮特別代表と有線協議を行い、韓米日3カ国が国連安全保障理事会レベルの措置をはじめとする団結した対応に力を合わせることにした。
合同参謀本部は同日午後、北朝鮮のICBM発射に対応・報復能力を示すため、東海上で陸海空軍が玄武-2地対地ミサイルなど5発のミサイルを発射したと発表した。政権引き継ぎ委員会は立場表明文を出し、北朝鮮のICBM発射について「世界平和を脅かす挑発行為」とし「強く糾弾する」と明らかにした。