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「日本は94歳の私が死ぬのばかりを待っているのか」強制徴用被害者の怒号

登録:2021-11-30 09:42 修正:2021-11-30 10:42
最高裁の賠償判決から3年、強制徴用被害者が会見 
「今も後遺症で眠れない…謝罪せよ」
強制徴用被害者のヤン・クムドクさん(前列中央)が29日、光州広域市議会で自ら書いたプラカードを掲げて戦犯企業の謝罪と賠償を求めている=キム・ヨンヒ記者//ハンギョレ新聞社

 「謝罪せよ」

 29日午前、光州(クァンジュ)広域市議会の市民疎通室で、強制徴用被害者のヤン・クムドクさん(92)が怒号をあげた。ヤンさんはこの日、別の被害者の故オ・ギレさん(当時14歳)の弟のオ・チョルソクさん(85)や市民団体のメンバーとともに、戦犯企業と日本政府に謝罪を求める記者会見に出席した。

 ヤンさんは白い紙に「謝罪せよ ヤン・クムドク」と自ら書いて掲げ、最後まで闘うと明らかにした。

 ヤンさんは「幼い年齢で名古屋の三菱工場で2年間を涙で過ごした。当時、夜ごと爆撃機が飛んでくると防空壕に隠れて死の恐怖に震えた」とし「今もその時の後遺症に苦しみ、夜も眠れない」と語った。

 ヤンさんは「韓国最高裁(大法院)の賠償判決後の3年は、30年よりも長い歳月だった。私はもう韓国の年齢で94歳。いつ死ぬかわからないのに、謝罪の一言を聞くのがこんなに難しいことなのか」と指摘した。

 この日、この場を設けた市民団体「勤労挺身隊ハルモニと共にする市民の会」と社団法人「日帝強制動員市民の会」は記者会見文で、「2018年11月29日、韓国最高裁は三菱重工業に賠償命令を下したが、3年が過ぎても判決は履行されていない。三菱重工が韓国司法部を愚弄している間に、原告5人のうちキム・ジュンゴンさん、イ・ドンリョンさんが亡くなった」と明らかにした。

強制徴用被害者のヤン・クムドクさんが29日、光州広域市議会市民疎通室で日本の謝罪を求める文言を書いている=キム・ヨンヒ記者//ハンギョレ新聞社

 彼らは「日本政府は経済報復措置などで判決履行を妨害している。韓国政府は個人の訴訟だとして背を向けている。ヤン・クムドクさんの闘いは個人の尊厳を取り戻すことでもあるが、日本政府と三菱重工の良心が試されることでもある」と強調した。

 勤労挺身隊市民の会のイ・グゴン常任代表は「これまで韓国政府は被害者の話を聞くには聞いたが、日本とどのような交渉をしたかについては明らかにしていない。いつまで被害者個人が前面に出て闘い続けなければならないのか、もどかしく失望する状況」だと述べた。

 最高裁は2018年11月29日、三菱重工に対し、ヤンさんら原告5人に一人当たり1億~1億5千万ウォン(約960万円~1440万ウォン)の慰謝料を支払うことを命ずる判決を下した。しかし三菱重工は1965年の韓日請求権協定で賠償問題は解決済みとして、最高裁の判決を無視している。原告らは三菱重工が韓国で所有している商標権2件と特許権6件に対する差押え命令を申し立て、裁判所はこれを受け入れたが、三菱重工側が抗告したため裁判が進行中だ。

キム・ヨンヒ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/area/honam/1021197.html韓国語原文入力:2021-11-29 14:24
訳C.M

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