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韓国外交部、強制動員の三菱資産売却命令に「解決策のため韓日協議を進めたい」

登録:2021-09-29 01:45 修正:2021-09-29 06:35
外交部=同部ウェブサイトより//ハンギョレ新聞社

 日帝強占期(日本の植民地時代)の強制徴用労働者に対する賠償に関して、韓国裁判所の下した日本企業の韓国国内資産売却命令に日本政府が強い遺憾を表明する中、韓国政府は「速やかな韓日協議」の必要性を強調した。

 外交部のチェ・ヨンサム報道官は28日午後の定例ブリーフィングで、「外交部は今回の裁判所の決定について認知している」とし、「今後、正確な事実関係の把握および関連動向を鋭意注視していく」と述べた。チェ報道官は続けて「政府としては、被害者の権利実現および韓日関係などを考慮し、すべての当事者が同意しうる解決策作りに向けて、速やかに韓日両国による協議を進めることを期待する」と付け加えた。

 これに先立ち、日本政府は28日朝、駐日韓国大使館のキム・ヨンギル公使を呼んで遺憾を表明するとともに、韓国政府に適切な対応策を講じるよう求めた。あわせて、駐韓日本大使館を通じて外交部に抗議の意を伝えた。

 日本の茂木敏充外相はこの日午前の定例記者会見で、韓国司法による売却命令に対し「極めて遺憾」とし「(日本企業の資産の)現金化は日韓両国にとって深刻な状況を招くので避けなければならないと、これまでも日本側から韓国側に対して、繰り返し指摘をしてきた」と述べた。23日に米ニューヨークでの国連総会をきっかけに開かれた韓日外相会談でも、こうした立場をチョン・ウィヨン外交部長官に伝え、適切な対応を改めて要求したと強調した。そして「韓国側が直ちに国際法違反の状態を是正することを含めて、日本側にとって受け入れ可能な解決策を示すよう、強く求めていきたい」と述べた。

 しかしこれに対してチェ報道官はこの日、改めて「韓国司法の強制動員被害者判決がいわゆる国際法違反だとする日本側の主張は、全く事実に合わない」とし「1965年の韓日請求権協定の適用範囲に関する法的解釈争いがある状況において、国際法違反というのは一方的で恣意的な主張」だと反論した。そして「韓国側に解決策を提示しろと日本が言及したことは、問題解決に何の役にも立たない」とし「我々は合理的で現実的な問題解決のためのいかなる提案に対しても開かれている立場」と述べた。「韓国が解決策を提示せよ」とする日本政府と「解決策を模索するため、日本は対話に応じるべきだ」とする韓国政府が従来の立場を繰り返し、平行線をたどっている。

 大田(テジョン)地裁はこれに先立ち、強制動員被害者のヤン・クムドクさん、キム・ソンジュさんが三菱重工業の商標権と特許権の売却を求めた特別現金化命令申立てを受け入れた。裁判所の今回の命令で、韓日関係には三菱重工の韓国内資産の現金化という緊張要素が加わった。しかし、三菱重工側が即時抗告の方針を明らかにしたため、直ちに売却されることはなく、時間はさらにかかる見通しだ。間もなく発足する日本の新政権が文在寅(ムン・ジェイン)政権とどのような関係を設定をするのかも見守らねばならないが、歴史問題をめぐる韓日の「冷戦」はしばらく続くものとみられる。

キム・ジウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/1013065.html韓国語原文入力:2021-09-28 17:38
訳D.K

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