光州(クァンジュ)の強制徴用被害者支援団体が、戦犯企業の韓国国内の資産差し押さえを決定した最高裁判所の判断に歓迎の意を表した。
「勤労挺身隊ハルモニと共にする市民の会」は14日、文書で立場を表明し、その中で「最高裁は今月10日、三菱重工業がヤン・クムドクさん(92)とキム・ソンジュさん(92)を相手取って申し立てた商標権・特許権差し押さえ命令に対する再抗告事件を棄却した。これにより三菱重工が韓国に所有する商標権・特許権に対する差し押さえ措置は最終的に確定した」と述べた。
同会は「結果はほぼ予想されていたが、三菱重工は不服手続きを利用して高齢の被害者をまたしても傷つけた。三菱重工は直ちに謝罪と賠償を行え」と訴えた。
ヤン・クムドクさんら11人(生存6人)の勤労挺身隊被害者は、2012年10月を皮切りとして2014年2月、2015年5月の3回にわたって三菱重工などの戦犯企業を相手取って韓国の裁判所に損害賠償請求訴訟を起こし、2018年11~12月に最高裁で最終勝訴した。しかし被告企業は賠償履行を拒否しており、対話を求める被害者の要請にも応じていない。
これを受け、原告たちは特許庁が位置する大田(テジョン)地裁に、三菱重工が韓国内に所有している商標権2件と特許権6件に対して差し押さえ命令を下すよう申し立て、大田地裁は2019年3月にこれに応じた。三菱重工は、差し押さえ措置は不当として抗告したが、今年2月と3月にそれぞれ棄却され、最高裁でも差し押さえ措置は正当との判決が言い渡された。
一方、光州・全羅南道地域の強制動員被害者3人と遺族84人は、2019年4月と2020年1月の2回にわたり、日本の戦犯企業11社を相手取って光州地裁に集団損害賠償請求訴訟を起こし、裁判が進められている。