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仏独「アストラゼネカ製ワクチン、高齢層にも有効」…韓国政府の接種決定、早まるか

登録:2021-03-03 01:45 修正:2021-03-03 16:50
欧州で「効果ある」相次ぎ発表 
英国「80歳以上の入院80%減らし 
70歳以上はファイザーより効果高い」 
独仏も「65歳未満」から立場を変える 
韓国政府「接種の可否、いつでも再検討」
2日午後、京畿道東豆川市の中央都心公園に設けられた臨時選別検査所の前で、保健所の関係者がコロナ検査を受けるために並んでいる市民に距離を取るよう強調している=東豆川/聯合ニュース

 高齢層に対するアストラゼネカの新型コロナウイルスワクチンの有効性を裏付ける研究結果が国外で相次いで発表されたことから、韓国政府は「関連資料が十分に蓄積されれば、いつでも接種の可否を判断する」と明らかにした。

 コロナ予防接種対応推進団予防接種管理班のチョン・ギョンシル班長は2日の定例ブリーフィングで「現在、各国で(アストラゼネカのワクチンの)追加臨床試験が進められており、一部の国では高齢層に対する接種の結果が出ている」とし「特定時期に限定せず、十分な資料が蓄積されれば、いつでも判断できると思う」と話した。当初、3月末に出る予定の米国の臨床試験の結果をもとに、アストラゼネカ製ワクチンの満65歳以上の高齢層への接種を再検討するとしていたが、日程を繰り上げることもありうることを示唆した発言だ。

主な国々のアストラゼネカ製ワクチンの高齢層への接種の可否//ハンギョレ新聞社

 すでにスコットランドのワクチン接種者を対象とした調査の結果、アストラゼネカのワクチンの高齢層に対する重症予防効果が立証されたのに続き、英国でもこれまでの接種を分析した資料が発表されている。1日(現地時間)、英国のイングランド公衆衛生局(PHE)は、1月から収集してきた資料を分析した結果、ファイザーとアストラゼネカのワクチンの1次接種を終えた80歳以上では、接種の3~4週間後の入院率が80%下がる効果を示したと発表した。特に70歳以上の1次接種から4週間後では、有症感染の予防効果はアストラゼネカ(60~73%)の方がファイザー(57~61%)より高かった。

 65歳未満への接種を勧めていたフランスやドイツは、立場を変えた。BBCによると、フランスは2日、65~74歳の高齢層に対するアストラゼネカのワクチンの接種を許可した。ただし75歳以上には、以前と同様にファイザーとモデルナのワクチンを接種する。ドイツの疾病管理庁の性格を持つロベルト・コッホ研究所(RKI)の予防接種委員会のトーマス・メルテンス委員長も、先月27日に公共放送ZDFの番組に出演し、「近いうちに新たな勧告を発表する」と述べている。

 韓国では、2日午前0時までにさらに1442人がワクチン接種を受け、接種人数は累計で2万3086人となった。アストラゼネカのワクチンの接種を受けたのは2万2191人、ファイザーは895人。予防接種後、異常反応が疑われる事例は前日に4件が報告され、累計で156件となった。いずれも頭痛、発熱、吐き気、嘔吐などの軽症事例で、チョン班長によると「入院が報告され、重症の異常反応かどうかを確認した2件は、初日に高熱があったものの、翌日には消えたことが確認された」という。

 防疫当局は、ワクチン接種は始まったものの、依然として防疫守則の順守が重要性であることを重ねて強調した。中央防疫対策本部のイ・サンウォン疫学調査分析団長は「ワクチン接種率1位のイスラエルでは、接種初期に強力な封鎖政策を並行していた当時、感染再生産指数(1人の感染者が感染させる人数)は0.8にまで減少したものの、2月28日には再び0.99に増加している」とし「ワクチン接種とは別に、距離を取ることやマスク着用などの防疫守則の順守がいかに重要かを示す端的な事例」と述べた。

 一方、ソウル大学保健大学院のユ・ミョンスン教授のチームが先月8~17日に全国の18歳以上の成人1084人を対象として行った調査では、「ワクチン接種はみんなの責任」との回答が54.4%を占めた。「個人の選択」という回答は12.5%、「どちらも正しい」は26.7%だった。「みんなの責任」と「個人の選択」が両者とも49%を占めた米国の非営利団体KFFの昨年12月の調査結果とは異なる結果となった。

チェ・ハヤン、チェ・ヒョンジュン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/985139.html?_fr=mt2韓国語原文入力:2021-03-02 19:08
訳D.K

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