韓国国内での新型コロナウイルスワクチンの初接種を2日後に控えた24日、療養病院・施設などで接種されるアストラゼネカ製ワクチンの全国流通が本格的に始まった。
この日、慶尚北道安東(アンドン)のSKバイオサイエンスの工場から京畿道利川(イチョン)の物流センターに移されたアストラゼネカのワクチンは、17万3500人分(34万7000ドース)だ。このワクチンを含め、今後5日間で78万5000人分(157万ドース)が、アストラゼネカの委託生産先であるSKバイオサイエンスの工場から順次発送され、物流センターを経て全国の療養病院と保健所1909カ所に供給される。
この日、物流センターで徹夜の小分け、再包装作業などが行われたワクチンは、25日午前5時30分ごろから1トントラックに積まれ、保健所などに配送される予定となっている。済州島のワクチンは木浦(モッポ)港を経て25日午前6時ごろに済州港に到着し、その後、保健所・療養病院15カ所に配送される。チョン・セギュン首相はこの日午前、SKバイオサイエンスの工場前で開かれたワクチン出荷式で「コロナに奪われた国民の大切な日常を、一日も早く取り戻すことができるよう、ワクチン接種を必ず成功させる」とし「トラックに積まれたワクチンが希望の春を花開かせる種となることを期待する」と述べた。
ワクチンを積んだ5トンの無振動冷蔵トラックには、GPSや車両温度測定装置が搭載されている。これらの装置を用いて、京畿道板橋(パンギョ)にある統合管制センターでトラックの位置、温度、トラックに積まれた2つのワクチン輸送容器の温度などをリアルタイムでモニタリングする。1つのワクチン輸送容器にはワクチンが入っている。もう1つは万が一に備えた予備の輸送容器だ。
トラックはこの日午前10時30分ごろ安東を出発し、約2時間で184キロを走り抜け、利川に位置する「GtreeBNT」の物流倉庫に到着した。移動中はトラックを2台の警察のバイクと1台のパトカーが先導し、トラックの後ろでは軍事警察車1台、警察特攻隊車両1台、パトカー1台、バイク2台、機動隊バス1台が護衛に当たった。1回の護送に動員された軍と警察の兵力だけでも40人あまりにのぼった。京畿南部高速道路パトロール隊のアン・ソンシク隊長(警視正)は「国民の安全を守るワクチン輸送業務に参加できて感無量だ。この輸送に最後まで完璧に責任を取る」と述べた。
午後12時30分ごろ物流センターに到着したトラックは、武装した警官や軍人らの間を通り、「A入庫ドック」の前に止まった。「COVID-19ワクチン安全輸送」と記された黄色い蛍光チョッキを着た物流センターの関係者たちがトラック、警察車両、軍事警察車の運転者らの発熱チェックを行い、続いて物流センターの関係者、軍人、警官など9人が集まって書類をチェックしながらワクチンの引き渡し作業を行った。引き渡しを受けた1人の軍人が、トラックのドアの右側の角に貼ってある赤い封印用のステッカーをカッターではがし、物流センターの関係者がトラックのドアを開けた。すると、待機していたフォークリフトがゆっくり近づいてきて輸送容器を持ち上げ、入庫ドックの前に運んだ。フォークリフトの周りには4人の物流センター関係者がおり、「そのまま少しずつ前に」「ちょっとストップ。少し右に」などと叫びながら、輸送容器がドックの壁にぶつからないように繊細にフォークリフトの移動を助けた。GtreeBNTワクチン流通事業部のイ・ピルヒョン支社長は「国民がマスクを脱いで日常に戻るための第一歩を共にすることができて光栄だ。万全の準備を済ませており、一件の事故もないようにする」と話した。
一方、チョン・ウンギョン疾病管理庁長はこの日の定例ブリーフィングで「ワクチン第1号接種は療養病院・療養施設の64歳未満の入所者・入院者、そして従事者すべてが対象となる」と述べた。