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専攻医集団休診初日…「病院からがん手術延期通知が来て困惑」

登録:2020-08-22 02:29 修正:2020-08-22 06:47
専攻医の休診で救急室診療の遅延など不可避 
重症患者の手術日程、一方的な延期に患者の家族「当惑」 
代替人材の疲労増し、医療空白が広がる見通し
専攻医が政府の医学部定員拡大方針などに反対し、復帰時期が決まっていない「無期限」順次ストに入った21日午前、ソウル瑞草区のソウル聖母病院の外来選別診療所の入り口に案内文が立て掛けてある=キム・ヘユン記者//ハンギョレ新聞社

 今現在は大きな空白はないものの、第一線の医療現場には緊張感が漂っていた。各病院は、週末に集団休診に参加する専攻医が増えたことで、手術日程の調整や救急室での診療の遅延など、医療空白は避けられないとみている。

 全国で1万人あまりのインターンと4年目の専攻医が集団休診に入った21日、ソウル市内の各大学病院は普段とあまり変わらない雰囲気だった。患者は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の防疫指針に従って発熱チェックをしてから病院を訪れ、いつものように外来診療を受けた。ソウル聖母病院の関係者は「約300人の専攻医のうち、100人程のインターンと4年目の専攻医が出勤していない。しかし、外来診療は教授が担当し、金曜日は外来診療件数が多くないため、大きな問題はなかった」と述べた。

 勤務人員に占める専攻医の割合が相対的に高い救急室では、診療が遅れたため、一部軽症患者は町の医院や2次病院へと行き先を変更せねばならなかった。ソウル市内のある大学病院の救急室に勤務する専門医は「普通はインターン3人、専攻医3人と、全部で7人が救急室で診療を担当しているが、今日は半分が抜けており、来週は1人で勤務することになる。人員が不足している上、最近は新型コロナで防疫服に着替える時間も加わり、診療時間は遅れざるを得ない」と説明した。

医学部定員拡大などの政府の医療政策に反対する専攻医が順次ストに突入した21日午前、ソウル鍾路区大学路のソウル大学病院本館の入り口で、ソウル大学医学部医学科の3年生たちもストに参加し、実習と授業を拒否してリレー1人デモを行っている=キム・ボンギュ先任記者//ハンギョレ新聞社

 外来と救急診療には大きな混乱はなかったが、一部の重症患者の手術日程が調整され、患者の家族からは懸念の声が出ている。今月31日に母親のすい臓がん手術を控えていたというAさんは、「大学病院が専攻医の休診を理由として、母親の手術延期を通知してきた。一方的な通知で当惑している。他の医療機関を当たっている」と述べた。

 週末にかかることで集団休診の規模が大きくなったことから、各病院は手術日程の調整に乗り出した。サムスン・ソウル病院の関係者は「今日は10件未満の手術日程調整があったが、24日にはさらに変更せねばならなくなると思う。専攻医の休診が来週まで続けば、手術件数と新規入院を減らすしかない」と語った。ソウル聖母病院も、麻酔科の専攻医の休診に伴い、来週から手術件数を30~40%減らす計画だ。

 専攻医の集団休診で、担当業務が専門医や看護師、臨床病理士などの他の人材に転嫁されることによって、現場の医療陣の疲労がたまることも大きな問題だ。専攻医が病院で主に担当していた防疫(新型コロナ選別診療所)▽救急室診療▽手術室運用業務への支障が長期化すれば、医療空白が大きくなるのは避けられない。

イ・ジェホ、オ・ヨンソ、パク・ユンギョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/958855.html韓国語原文入力:2020-08-21 20:15
訳D.K

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