今現在は大きな空白はないものの、第一線の医療現場には緊張感が漂っていた。各病院は、週末に集団休診に参加する専攻医が増えたことで、手術日程の調整や救急室での診療の遅延など、医療空白は避けられないとみている。
全国で1万人あまりのインターンと4年目の専攻医が集団休診に入った21日、ソウル市内の各大学病院は普段とあまり変わらない雰囲気だった。患者は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の防疫指針に従って発熱チェックをしてから病院を訪れ、いつものように外来診療を受けた。ソウル聖母病院の関係者は「約300人の専攻医のうち、100人程のインターンと4年目の専攻医が出勤していない。しかし、外来診療は教授が担当し、金曜日は外来診療件数が多くないため、大きな問題はなかった」と述べた。
勤務人員に占める専攻医の割合が相対的に高い救急室では、診療が遅れたため、一部軽症患者は町の医院や2次病院へと行き先を変更せねばならなかった。ソウル市内のある大学病院の救急室に勤務する専門医は「普通はインターン3人、専攻医3人と、全部で7人が救急室で診療を担当しているが、今日は半分が抜けており、来週は1人で勤務することになる。人員が不足している上、最近は新型コロナで防疫服に着替える時間も加わり、診療時間は遅れざるを得ない」と説明した。
外来と救急診療には大きな混乱はなかったが、一部の重症患者の手術日程が調整され、患者の家族からは懸念の声が出ている。今月31日に母親のすい臓がん手術を控えていたというAさんは、「大学病院が専攻医の休診を理由として、母親の手術延期を通知してきた。一方的な通知で当惑している。他の医療機関を当たっている」と述べた。
週末にかかることで集団休診の規模が大きくなったことから、各病院は手術日程の調整に乗り出した。サムスン・ソウル病院の関係者は「今日は10件未満の手術日程調整があったが、24日にはさらに変更せねばならなくなると思う。専攻医の休診が来週まで続けば、手術件数と新規入院を減らすしかない」と語った。ソウル聖母病院も、麻酔科の専攻医の休診に伴い、来週から手術件数を30~40%減らす計画だ。
専攻医の集団休診で、担当業務が専門医や看護師、臨床病理士などの他の人材に転嫁されることによって、現場の医療陣の疲労がたまることも大きな問題だ。専攻医が病院で主に担当していた防疫(新型コロナ選別診療所)▽救急室診療▽手術室運用業務への支障が長期化すれば、医療空白が大きくなるのは避けられない。