新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大が急速に進む中、全国のインターン・レジデントなど専攻医らが韓国政府の医療政策に反発し、21日から順次集団休診に入る。2~3月の新天地イエス教会に端を発した大流行とは異なり、高齢者の割合が高く、危篤・重症者が増加する恐れがある状況で、医療システムに空白をもたらしかねない行為だ。主要大学病院は予約患者を減らすと共に、スタッフを再配置するなど対応策作りに乗り出しており、政府は「法と原則に則って対応する」として、強硬対応を示唆した。
20日、大韓専攻医協議会は予告どおり21日から無期限集団休診に突入すると発表した。前日、パク・ヌンフ保健福祉部長官とチェ・デジプ大韓医師協会会長らが懇談会を開いたが、政府の医学部定員拡大や公共医科大学設立などの推進に対する双方の主張の隔たりを埋められなかったことによるものだ。彼らは、21日にはインターンとレジデント4年目、22日にレジデント3年目、23日にはレジデント1年目と2年目の3日間にわたって、全員が業務から離れるやり方で集団行動のレベルを高めていく予定だ。復帰日程はまだ決まっていない。専攻医協議会側は「政府が医学部の定員拡大案の撤回など、(専攻医協議会側の)要求を受け入れなければ、所属病院に辞表を提出する」と発表した。今回の集団休診は、今月7日の専攻医による集団休診と14日の開業医中心の全国医師による集団休診に続く、医療界の3度目の団体行動である。
2週間前に専攻医の集団休診を経験した病院は、前例に照らしてスタッフを再配置するなど、診療空白を防ぐための準備をしている。ソウル市内のある上級総合病院の関係者は「専攻医は手術と診療をサポートし、入院患者を点検するなど、多様な仕事を行っている」とし、「仕事そのものは補助的なものだがだが、仕事の量は非常に多いため、専攻医のストが長引くと、病院が正常に稼動できないかもしれない」と話した。 また、他の総合病院の関係者は「一日二日くらいは教授など別の医療スタッフをフル稼働して対応できるが、無期限の診療拒否につながった場合は実際に診療や手術を減らすしかない」と話した。政府は同日、主要国立大学病院・私立大学病院の院長らと面会し、診療空白が発生しないよう協力を要請した。
政府は医療界の集団行動に厳しく対応する方針だ。キム・ガンリプ福祉部次官は「集団休診を中止し、対話と協議を続けることをもう一度求める」とし、「もし、このような厳しい状況でも集団行動を強行するなら、政府も法と原則に則った対応を選ぶほかない」と述べた。ソウル大学医学部のキム・ユン教授(医療管理学)は「COVID-19の感染拡大で集中治療室などで働く医療陣が多く必要になった時期に、専攻医によるストは診療空白と混乱をもたらし、その被害は患者が被ることになるだろう」と述べた。