北朝鮮当局が8日午前、開城(ケソン)南北共同連絡事務所(開城共同事務所)の業務開始電話は受け取らなかったが、午後の終了電話には出たと、統一部が明らかにした。北朝鮮の「労働新聞」は同日も、朝鮮職業総同盟主催の抗議群衆集会や鉄道相の寄稿文など、「キム・ヨジョン談話」の「各界の反響」に関する報道を3日連続で続けた。
統一部当局者は「今日(8日)午後、開城共同事務所南北連絡協議は通常通り進められた」と述べた。午前9時の業務開始電話は繋がらなかったものの、午後5時の終了電話は正常に行われたことを明らかにしたのだ。北朝鮮側の午前と午後の対応が異なっていたことについて、同当局者は「北朝鮮側の特別な言及はなかった」と伝えた。
南北は新型コロナイルス感染症(COVID-19)事態で、1月28日に北朝鮮が「国家非常防疫体制への転換」を宣言し国境を閉鎖した直後、北朝鮮側の要請により1月30日から開城共同事務所の運営を暫定的に中止した。その後、南北はソウルと平壌(ピョンヤン)に臨時事務所を置き、直通電話で業務の開始と終了に関する通話を行ってきた。
北朝鮮の同日の業務開始電話の拒否は、キム・ヨジョン労働党第1副部長の4日の談話発表後、「北南共同連絡事務所を必ず撤廃する」とした統一戦線部報道官の談話(5日)の後続措置と見られた。しかし、北朝鮮が午後終了の電話には応じたことで、このような解釈も成り立たなくなった。これと関連し、南北の軍当局間で運営される西海地区通信線では同日、開始(午前9時)と終了(午後4時)の電話が正常に行われたと国防部が発表した。
ヨ・サンギ統一部報道官は同日の定例記者会見で、「政府はすべての南北合意を徹底的に遵守し、朝鮮半島の平和と繁栄のため、北朝鮮と協力を続けていく」と重ねて強調した。ヨ報道官は、大型風船にビラを付けたり、ペットボトルにコメとともにビラや聖書を入れて北朝鮮に送ることは、一切の敵対行為の中止を約束した「板門店宣言違反」であり、「地域住民の生命と安全を脅かす恐れがある」と批判した。ヨ報道官は「現行法の枠内で該当団体に自制を要請している」と述べ、警察官職務執行法に基づく(ビラまきの)遮断方針を遠まわしに示した。