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韓国が朝鮮半島の安全保障の主役になるべきだ【寄稿】

登録:2025-07-18 06:40 修正:2025-07-18 10:31
ホン・ヒョ二ク|国政企画委員会外交保分科長
ドナルド・トランプ米大統領が先月25日、オランダのハーグで開かれたNATO首脳会議後、ピート・ヘグセス国防長官とともに記者会見に臨んでいる=ハーグ/ロイター・聯合ニュース

 ドナルド・トランプ政権が米国の国益を最大化するため、韓米同盟関係の全面的再調整を進めている。ウクライナ戦争をテコにNATO(北大西洋条約機構)加盟国の国防費を国内総生産(GDP)の5%まで引き上げることに成功し、今度は韓国と日本にも同じことを要求する一方、北朝鮮抑止など朝鮮半島の安全保障は韓国に任せ、在韓米軍は主に中国を牽制するという立場を示している。さらに、両岸対立の際にも、韓国が米軍を助けて中国牽制に乗り出すことを望んでいる。在韓米軍の駐留費用は米国が負担するという当初の同盟間の約束は忘れたようで、今度は(韓国が)善意で提供してきた防衛費分担金の天文学的な引き上げを要求しており、7月末までに合意しなければ25%の相互関税を課すと圧力を加えている。

 合理的で実用的で賢明な対応が必要だ。何よりも数十年間、韓国の安全保障を支援してきた米国に感謝の気持ちを持って友好関係を維持しなければならない。

 しかし、防衛費分担金の増額要求はジョー・バイデン政権との合意を無視することであり、合意の遵守を要求しなければならない。たとえやむを得ず再交渉をするとしても、GDPに比べ韓国の分担金が日本より50%以上多く支給されており、韓国が提供する1兆ウォン(約1060憶円)約程度の土地使用料は分担金に算定されていない一方、日本の場合はこれが算定されているため、実際韓国は日本の2倍程度を支払っていることを踏まえたうえで策定されなければならない。その上、これまで在韓米軍は分担金の使用に対する監査もまともに受けておらず、不用額を返却せず、それを転用してきた。日本のように、事前に用途を提出してもらい、項目別に韓国政府が支払う方式に変えなければならない。

 万が一、米政府が議会の制限にもかかわらず、在韓米軍の削減に向けて圧力を加えた場合は、韓国はこれを望んではいないが、米国が本当に望むなら、合理的な水準の削減は受け入れられるという風に対応することで、韓米友好関係を守り、韓国が韓国の安全保障の主役になることもできるだろう。この局面で国内専門家たちとマスコミの成熟した反応が期待される。すでに2009年、韓国軍は米軍の助けを受けることなく、予備軍も動員しなくても、北朝鮮軍を撃退できるという自信を示しており、南北の軍事力がその後さらに広がったため、それほど懸念することではない。

 さらに、これまで米軍を駐留させたうえ、作戦計画まで企画して指揮してきた米国の負担を減らし、異常を正常化するためには、これから名実共に韓国が北朝鮮の南侵を抑止・撃退する主な責任を担い、韓米連合軍も指揮しなければならないだろう。問題は、これまで韓国軍がそのような能力を備える機会がなかったことにある。したがって、1994年に平時作戦統制権が移管された後、韓米連合司令官に委任された作戦計画樹立など6つの事項の連合権限委任(CODA)を2段階に移管し、速やかに作戦企画と指揮能力を備えなければならない。また、一寸の隙もない国家安保態勢と堅固な韓米協力を維持する一方、現政権の任期内に時期を決めて戦時作戦統制権を移管してもらい、韓国が朝鮮半島の安全保障の主役にならなければならない。韓国の通常戦力が世界5位であり、北朝鮮は36位と評価される状況なので、自信を持って作戦企画と指揮能力を備えれば、韓国は十分にこれを成し遂げることができる。

 ただし、北朝鮮が朝鮮半島非核化宣言に違反して核を開発したにもかかわらず、韓国は国際社会と米国の望みによって核開発を自制してきたため、非拡散主導国の米国は、韓国国民が核開発の必要を感じないよう、現在よりも確実かつ具体的な拡大抑止を保障しなければならない。

 米中競争と関連しては、韓米同盟を韓国外交安保の主軸として堅持する一方、中国とも戦略的パートナー関係を維持しなければならない。両岸が対立した際には、在韓米軍が移動しても韓中衝突を起こさず、北朝鮮抑止力の弱体化を最小化しなければならない。それと同時に、韓国軍は北朝鮮の南侵を抑止するため、支援できないことを明確にしなければならない。

 関税交渉でも米国の要求を明確に把握し、互恵的な利益の均衡を求め、合意を導き出さなければならない。特に世界最高の基地であり中国の牽制に最適な平沢のキャンプ・ハンフリーズの提供、米国が切実に望む軍艦建造および維持・補修・整備(MRO)をめぐる協力、アラスカガス田開発事業への参加、米国の石油・ガス輸入、半導体協力など私たちの強みを賢く活用しなければならない。相手の立場に立って考え、自信を持って力強さを育てながら韓米同盟の未来を切り開いていけば、トランプ政権とも互恵的で互いを尊重する韓米同盟を建設することができるだろう。

//ハンギョレ新聞社
ホン・ヒョ二ク|国政企画委員会外交安保分科長(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/1208397.html韓国語原文入力: 2025-07-17 09:03
訳H.J

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