日本軍「慰安婦」被害者のキム・ボクトンさんの弔意金により作られた「キム・ボクトン奨学金」を、女性や労働分野などの市民社会団体の活動家の子女が受け取ったというマスコミ報道について、正義記憶連帯(正義連)は「ハルモニ(おばあさん)の意思を継いだこと」と述べ、「ハルモニの名誉を毀損しないで」と反論した。
正義連は11日午前の記者会見で「キム・ボクトンさんは普段、双竜(サンヨン)自動車の解雇労働者や在日朝鮮学校の生徒たちのような困難な状況に置かれた方々と連帯した。ハルモニは自分も勉強したかったがそれは叶わなかったという話もずっとされており、葬儀に使って残った基金を11の市民社会や女性団体に寄付した」と説明した。一部の保守メディアが「正義連の理事の子女が最近、慰安婦被害者だったキム・ボクトンさんの奨学金を受領した」と批判したことに対する反論だ。
正義連がキム・ボクトン奨学金を市民社会団体の活動家の子女に与えることにした事実は、メディアを通じて広く知られていた事実だ。同団体はホームページとメディアなどを通じて「『キム・ボクトンの希望』は、女性・労働分野などの市民社会団体の活動家の大学生の子女10人を選抜し、一人当り200万ウォン(約18万円)を支援する」と告知している。昨年2月に正義連のホームページに記載された「キム・ボクトン奨学金申請公告」でも「キム・ボクトンさんの葬儀を終えて残った弔意金のうちの一部を、女性、平和、統一、労働、人権分野の11の市民社会団体を選定して、それぞれ200万ウォンの後援金として支給して激励した。残りは、劣悪な状況にもかかわらずキム・ボクトンさんの普段の意思を実践している女性、人権、平和、労働、統一などの市民社会団体の活動家の大学生の子女に奨学金として支援したいと思う」と明らかにした。昨年には予想より多くの学生が申請し、25人が200万ウォンずつ計5000万ウォン(約440万円)のキム・ボクトン奨学金を受け取った。
正義連のオ・ソンヒ人権連帯処長は「女性人権運動にたいへん長い間献身した活動家の子女に奨学金を渡したことの何が問題なのか分からない」とし、「当時すべてのメディアがキム・ボクトンさんの意思を受け継いだと称賛した奨学金の支給が、今になってこのような形でハルモニの名誉を毀損するのに悪用されるのは耐え難い」と述べた。