共に市民党の比例代表当選者のユン・ミヒャン氏が、2015年の韓日日本軍「慰安婦」合意の内容を事前に認知していたかの議論が高まる中、文在寅(ムン・ジェイン)政権発足後に当時の慰安婦合意の経緯を調査した報告書が注目されている。この報告書には、ユン氏の名前は直接は触れられていないが、当時の状況を推察するのが可能な内容が含まれている。外交部は2017年7月、民間委員や外交部の要人など9人で「韓日日本軍慰安婦被害者問題合意検討タスクフォース(TF)」を立ち上げ、外交資料や関係者の調査、被害者意見の聴取などを行い、同年12月17日に検討報告書を発表した。
この報告書には「外交部は合意のために被害者団体を説得するのが重要であるという認識を持っていた」として「2015年の1年間だけで計15回以上、被害者および関連団体に接触した」と書かれている。団体の名前は具体的には出てこないが、当時の「慰安婦」関連の代表的団体はユン氏が代表であった韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)だっただけに、外交部がユン氏に会ったのは事実と見られる。
議論の核心は、政府が挺対協などの関連団体の関係者に会い、どこまで説明してどのような方法でコミュニケーションを取ったのかだ。TFは「外交部が交渉を進める過程で、被害者側に時折、関連内容を説明した」としながらも「最終的・不可逆的解決の確認、国際社会での批判の自制など、韓国側が取らなければならない措置があるということに関しては、具体的に知らせなかった」と強調した。国民の公憤を引き起こした「絶対に元に戻すことはできない」という条項は、被害者側に知らせなかったとのことだ。挺対協の後身である正義記憶連帯も11日の記者会見で、外交部と協議というより「交渉の終盤にマスコミ報道に関する事実関係の確認、一方的通知があった」と説明した。ユン氏側も、外交部が合意前日に中身は伏せたまま日本政府の謝罪など一部の内容だけを知らせたと主張している。
TFの報告書では、日本政府の拠出基金10億円(約110億ウォン)について「金額も被害者の意見を取りまとめなかった」と明らかにしている。ただし、被害者団体が「10億円」を事前に外交部から伝えられたかどうかは、報告書に明記されていない。正義記憶連帯は記者会見で「該当の内容は発表前からマスコミ報道を通じて議論されていた。公式発表の前には10億円に関する内容は伝えられなかった」と強調した。ユン氏側も10億円は韓日合意当時の記者会見でも発表されず、後で知らされた内容であり、事前には知らなかったと説明した。