第21代総選挙は連動型比例代表制が部分的に導入された改正選挙法によって行われたが、結果は期待外れだった。制度的多党構図と合議制民主主義の定着という選挙法改正の趣旨は色あせ、法改正前よりも強化された二党構図が出現したのだ。巨大二党が相手より多くの比例代表議席を獲得するために衛星政党の結成に争って乗り出した結果だった。第21代国会で選挙法を再改正すべきだという声が高まっているのはそのためだ。
昨年8月から、未来統合党の前身である自由韓国党は政治改革特別委員会で「選挙法を改正すれば『比例韓国党』を作り、比例議席を大量に持ってくる手段も可能だ」と警告したが、共に民主党などが参加した「4+1」(共に民主党、正しい未来党、正義党、民主平和党、代案新党)協議体はこれに対する法的・制度的な安全装置を設けなかった。それから約5カ月後、統合党は比例衛星政党を立ち上げ、民主党は統合党の議席獲得を阻止するとして後を追って衛星政党を作った。
結果は法改正の趣旨を無効にさせた。今回の総選挙で、巨大二党の比例衛星政党である未来韓国党と共に市民党が得た政党得票率はそれぞれ33.8%、33.4%だ。もし比例衛星政党がなかったら、選挙区当選者が多い民主党と統合党はそれぞれ6~7の比例議席を獲得するにとどまったが、実際には未来韓国党は19議席、共に市民党は17議席を占めた。事実上、選挙法改正前に「並立型比例代表制」を採択していた時と同じ結果だ。
準連動型比例代表制の導入の趣旨が無効になると、巨大二党の過大代表の現象はさらに大きくなった。未来韓国党と共に市民党が得た政党得票率の合計は67.2%に過ぎないが、彼らが母体政党とともに占めた議席は、全体300席のうち94.3%の283席にもなる。選挙区で自分の分以上を獲得できる巨大政党が、事実上比例議席まで独占したわけだ。
「小細工」の衛星政党結成に対する批判が高まったことを受け、民主党も第21代国会で選挙法を改正すると約束した。民主党のイ・ヘチャン代表は総選挙を1カ月後に控えた先月13日、比例連合政党への参加を宣言し、「第21代国会で選挙法の不備を補完し、二度とこのようなことが起こらないようにする」と明らかにした。イ・ナギョン民主党共同常任選挙対策委員長も先月30日の記者懇談会で「政党制度が多少損なわれたことは明らかな事実」だとし、「政党法と公職選挙法を再点検して正す必要がある」と述べた。しかし、誰も選挙法改正の「方向」を語らなかった。
しかし、今回の総選挙で180議席を占める「スーパー議席」を占有した共に民主党側が、選挙制改革に積極的に乗り出すと考える人は多くない。昨年、民主党が選挙法の改正に乗り出したのは、長年の宿願だった高位公職者犯罪捜査処(公捜処)設置法案と検察・警察捜査権調整案処理のために少数政党の協力が必要だったからだ。しかし、民主党はどんな法案でも単独処理が可能な議席数を確保したため、少数政党の協力は切実ではなくなった状況だ。
嶺南大学のチョン・ビョンギ教授(政治外交学)は「民主党がその気になれば選挙制を変えることもできる土壌ができたが、自分の利害関係がかかれば衛星政党の登場を防ぐ小手先の手入れだけで終わる可能性もある」とし、「小選挙区制による恩恵を大きく受けた民主党が、果たして連動型比例代表制の趣旨を強化する選挙制改革に乗り出すかは疑問だ」と説明した。