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韓国与党、首都圏56%得票で85%の議席獲得…野党陣営の票は十分反映されず

登録:2020-04-17 06:52 修正:2020-04-17 12:27
小選挙区制のため死票となった“隠れ票” 
 
未来統合党、44%獲得も 
議席は13%にとどまる 
僅差で当落が分かれたため 
比例も民主党系38%、統合33%でほぼ同じ 
「選挙制度の矛盾、もう一度話し合うべき」
第21代総選挙のソウル鍾路で当選したイ・ナギョン共に民主党常任選挙対策委員長が今月16日午前、ソウル汝矣島の国会で開かれた大韓民国未来準備選挙対策委員会議に明るい表情で入場している//ハンギョレ新聞社

 180対103。政権与党の前例のない圧勝だ。しかし、両党の議席数が第21代総選挙のすべてを物語っているわけではない。単純明快な議席比で数量化するには、選挙局面を伏流してきた民意があまりにも複雑だからだ。実際、未来統合党が選挙区選で得た票を共に民主党の得票数に比べてみると、議席数に反映されなかった保守票がかなり存在することが分かる。

 16日、ハンギョレがソウル、京畿、仁川など首都圏の選挙区選で、民主党と統合党がそれぞれ得た票をすべて合算してみると、民主党は771万2531票、統合党は592万4987票を獲得したことがわかった。当選圏に入らなかった少数政党の得票数を除いて、両党の対決構図を仮定して得票率を算出したところ、民主党が56.6%、統合党が43.4%だった。わずか13.2ポイントの差だ。首都圏全121議席のうち、民主党(103議席)が85.1%、統合党(16議席)が13.2%を占めたことに比べると、その差が著しい。

首都圏における民主党と統合党の選挙区得票分析//ハンギョレ新聞社

 選挙区の得票率と議席の割合の間にこれほど大きな差が生まれたのは、首都圏の選挙区で僅差による当選が多かったからだ。選挙区で2位候補より1票でも多く得た候補が当選し、1位を除いた候補のすべての得票はそのまま死票になる現行の小選挙区-単純多数代表制の特徴だ。2位以下の統合党候補の得票はまったく議席数に反映されず捨てられたということだ。

 比例代表を選ぶ政党投票の結果でも、隠れた保守票を確認できる。政党投票で民主党系(共に市民党+開かれた民主党)は38.7%、統合党系(未来韓国党)は33.3%の得票率だった。議席数では民主党180議席、統合党103議席で大きな差がついたが、実際の両党の支持層の間にはそれほど大きな差はない。政党得票率を議席数に一致させるドイツ式連動型比例代表制を適用すれば、両党の議席差は130議席対114議席へと大きく縮まる。統合党としては、選挙法改正当時あれほど反対した連動型比例代表制の導入を歓迎すべき理由が十分あるわけだ。

 ソウル大学のパク・ウォンホ教授(政治学)は「今回の総選挙で民主党と統合党の議席数の差が大きく広がったが、実際の両党の本来の支持層規模や今回の投票場での支持者の数に大きな差はない。議席数の差は小選挙区-単純多数代表制による錯視効果」だと分析した。

イ・ジヘ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/937448.html韓国語原文入力:2020-04-17 02:42
訳H.J

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