韓国と米国が、ソウル龍山(ヨンサン)米軍基地の移転に伴い、国防部の敷地内に移転することにした韓米連合軍司令部を、平沢(ピョンテク)の米軍基地「キャンプ・ハンフリーズ」に設置することで合意した。戦時作戦統制権(戦作権)の移管後に戦作権を行使する未来連合司令官は、韓国統合参謀本部議長が兼任せず、別の韓国軍大将が務めることにした。
チョン・ギョンドゥ国防部長官とパトリック・シャナハン米国防部長官代行は3日、ソウルの国防部庁舎で韓米国防長官会談を開き、このような内容を盛り込んだ共同報道文を発表した。両長官は「連合司令部をキャンプ・ハンフリーズに移転する案と、未来連合司令官に別途の韓国軍4星将軍を任命する案を承認した」と明らかにした。
両長官は連合司令部を平沢に移転することについて、「このような措置が連合司令部の作戦効率性と連合防衛態勢を向上させることに共感した」と明らかにした。戦作権の移管後、韓国軍大将が指揮することになる未来連合司令部が平沢に設置されることについて、一部では韓国軍の主導性が弱まるのではないかという懸念の声もあがっている。韓米国防当局は2017年10月、連合司令部を国防部の敷地内に移転することで合意し、了解覚書(MOU)まで交わした。
また両長官は、未来連合司令官を韓国統合参謀本部議長が兼任せず、別途の韓国軍大将を任命する案を承認した。国防部関係者は「統合参謀本部議長は戦時に国防長官の軍令を補佐し、戒厳司令官や統合防衛本部長、統合防衛司令官を務め、軍事外交まで行うことになる」としたうえで、「こうした任務を考慮した場合、統合参謀本部議長と未来連合司令官は分離する方が効率的だと判断した」と説明した。未来連合司令部体制に変われば、韓国軍大将が現在務めている連合司令部副司令官の職がなくなるが、この際に残る大将のポストを未来連合司令官に当てるものと見られる。副司令官は米軍大将が務める。
両長官は「戦作権の移管に向けた条件の充足にかなりの進展が見られることに注目し、今年後半に予定された最初作戦運用能力(IOC)の検証に期待感を表明した」と国防部が伝えた。これにより、戦作権移管の条件と韓国軍の能力を検証する第1段階の作戦運用能力評価に向けた演習から、未来連合司令部指揮体制を反映し、韓国軍大将が主導するものと見られる。
両長官は同日の会談で、最近の朝鮮半島の安保状況に対する評価を共有し、朝鮮半島の完全な非核化と平和定着に向けた外交的努力を後押しするという公約を再確認した。両長官は「北朝鮮の最近の短距離ミサイル発射に対して懸念を表明すると共に、北朝鮮の核・ミサイル活動に対する情報共有を強化することにした」と国防部が明らかにした。シャナハン代行の韓国訪問は今年1月の就任以来、初めてだ。