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[フォト]日本軍「慰安婦」被害者クァク・イェナムさんの人生

登録:2019-03-04 10:02 修正:2019-03-04 11:55
2017年8月8日、全羅南道潭陽郡の自宅で会ったクァク・イェナムさん=潭陽/イ・ジョンア記者//

 1925年、全羅南道潭陽(タミャン)で、女の子が生まれた。二男三女のうちの三女。

 女の子は育ち、日本の暴圧も次第に激しくなった。日本軍の“乙女供出”を避けるために親は彼女を結婚させたが、そこも安全ではなかった。結婚後100日足らずで、“乙女供出”に行くことになった義姉の代わりに、嫁ぎ先が嫁を送ろうとしたのだ。実家に身を隠したものの、それも長く続かなかった。

 1944年の春、村の女性5人と裏山で山菜を採っていた朝、事件は起きた。日本人の巡査に力づくで連行された彼女は、列車に乗って中国に連れて行かれた。その列車には女性6~7人が乗っていた。

2013年4月5日、大田のある漢方病院でベッドに座っているクァク・イェナムさんに韓国挺身隊問題対策協議会のヤン・ノジャ元事務処長(左)が具合を尋ねている。=大田/イ・ジョンア記者//ハンギョレ新聞社

 そうして連れて行かれた場所、「慰安所」で朝鮮女性は「慰安婦」になった。24の部屋に分かれた2階建ての家。朝鮮人も、中国人も、日本人もいたが、みな着物を着せられた。一人で外出することは許されず、管理人の同意を得て2、3人が同行して慰安所の外に出ることができた。

 1日に3回の点呼があり、常に監視されていた。祖国解放によって地獄のようなその期間が1年半で終わったことを、幸いだと言えるだろうか。

 解放後、彼女は故国に帰ることを望んだが、帰郷は容易ではなかった。彼女を連れて行く時には一糸乱れず作動していた日本軍のシステムは止まった。中国語があまりできなかった彼女は、解放後、故郷を尋ねる中国の官吏に「光州、テミョン(潭陽)」と答えたが、官吏がこれを中国広東省の広州と聞き違えたため、帰国できず、中国をさまよった。乞食として命をつないだ彼女は、安徽省の宿州市に行き着いてやっと定着した。

故国より中国で暮らしていた生活が長かったクァク・イェナムさんは、韓国語をほぼ忘れたが、農器具の名前など解放以前まで使っていた単語の一部は覚えていて人々を驚かせた=潭陽/イ・ジョンア記者//ハンギョレ新聞社
クァク・イェナムさんは光州・全羅南道の唯一の生存慰安婦被害者だった。2017年8月、姪と一緒に住んでいた全羅南道潭陽の自宅のクァクさんの部屋=潭陽/イ・ジョンア記者//ハンギョレ新聞社

 中国で60年近く暮らしながらも朝鮮の国籍を手離さなかった彼女が、2004年、文化放送の番組「感嘆符」のチームに出会ったのは、奇跡のような幸運だった。その後、放送局と韓国挺身隊研究所のサポートで2004年に国籍を回復した彼女は故国に帰り、家族と劇的に再会した。

 しかし、彼女が帰ってきた故郷に両親はいなかった。娘を奪われた悲しみに耐えきれなかった父親はその翌年死亡し、母親も亡くなった後だった。両親は臨終の時も失った娘を忘れることができなかったと、家族は伝えた。

2004年4月に放映された文化放送(MBC)の「感嘆符」のワンシーン。タレントのユン・ジョンス氏が当時中国に居住していたクァク・イェナムさんを訪ね、対話を交わしている=文化放送提供//ハンギョレ新聞社
文在寅大統領が2018年1月4日、大統領府で昼食会を開き、日本軍「慰安婦」被害者らを迎えている=大統領府提供//ハンギョレ新聞社
日本軍「慰安婦」被害者追悼日の初の政府記念式が開かれた2018年8月14日午後、忠清南道天安の国立望郷の丘内のモラン墓地で参加者たちが愛国歌を歌っている。前列左からイ・ヨンスさん、文在寅大統領、金正淑女史、クァク・イェナムさん、キム・ギョンエさん。暑さ対策のため扇風機が全部おばあさんたちに向いている=天安/キム・ジョンヒョ記者//ハンギョレ新聞社

 祖国は半世紀が経ってやっと彼女を受け入れ、私たちは彼女のしわだらけ顔だけを記憶するが、彼女にも心を焦がす思いで娘を待っていた両親がおり、春の日に山菜を採っていた美しい青春の時代があった。

 日本軍「慰安婦」被害者クァク・イェナムさん。彼女の苦痛に満ちた人生に終止符が打たれた。享年94歳。1月28日のキム・ボクトンさんの死去に続き、今年3人目の日本軍「慰安婦」被害者の訃報だ。被害生存者の数は22人に減った。

クァク・イェナムさんが2013年4月5日、大田のある漢方病院でベッドに座っている=大田/イ・ジョンア記者//ハンギョレ新聞社

 3月2日土曜日の午前に亡くなった彼女の安置所は全州病院の葬儀場に設けられ、出棺は4日に行われる。

 クァク・イェナムさん、苦しい人生を終え、どうか安らかにお眠りください。

イ・ジョンア記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/884275.html韓国語原文入力:2019-03-03-03 12:23
訳M.C

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