本文に移動

文大統領「韓日がかたく手を取り合う時、平和の時代が近づく」

登録:2019-03-02 09:28 修正:2019-03-02 12:42
未来志向的関係を強調  
「共に被害者の苦痛を癒す」  
 
過去の歴史に対する前向きな解決も求める  
日本マスコミ「直接批判・対立拡大を避けた」
文在寅大統領が1日午前、ソウル光化門広場で開かれた第100周年三一節記念式で、柳寛順烈士の甥のユ・ジャンブ氏に建国勲章大韓民国章を授与している=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領が1日、三一節(独立運動記念日)100周年記念のあいさつで「力を合わせ被害者の苦痛を実質的に癒すとき、韓国と日本は心の通じる真の友となる」と述べ、未来志向的な韓日関係を強調した。

 文大統領はこの日、ソウル光化門(クァンファムン)広場で開かれた三一節記念式典で「歴史を鑑にし、韓国と日本がかたく手を取り合う時、平和の時代が私たちのそばに近づくだろう」と述べた。また「己未独立宣言書は、3・1独立運動が排他的感情ではなく全人類の共存共生のためのものであり、東洋平和と世界平和への道であることを明確に宣言した」とし、「『(また)果敢に長年の過ちを正し、真の理解と共感をもとに仲の良い新しい世界を開くことが互いに災いを避け幸福になる近道』であることを明らかにした。これは今日でも有効な我々の精神だ」と強調した。直接的な言及は避けたが、日本が過去の帝国主義時代に犯した植民地支配や従軍慰安婦の強制動員など、歴史的事実を直視し、前向きな姿勢を取ることを求めたとみられる。

 同時に、文大統領は韓日関係が過去の歴史に埋没してはならないという考えも明確にした。最近、韓日関係は日帝強制占領期(植民地時代)の強制徴用被害者に日本企業が賠償するよう求めた韓国最高裁(大法院)の判決に日本政府が反発し、また韓国軍艦に対して日本の哨戒機が接近飛行したことで悪化した状態だ。文大統領は「過去は変えられないが、未来は変えることができる」とし、「朝鮮半島の平和のために日本との協力も強化する」と述べた。大統領府関係者は「文大統領は、日本も朝鮮半島の平和構築の過程でともに協力しなければならないという意思が強い」と伝えた。この日の記念演説で、日本に関する部分は演説の後半部分の7文章ほどで、比較的簡単に言及された。

 日本政府は「日韓協力の重要性について言及したもの」という反応を示した。野上浩太郎官房副長官はこの日午後の定例会見で文大統領の記念演説に触れ、「対日関係、韓日協力の重要性を言及したと認識している」と述べた。野上副長官はさらに「日韓関係は依然として非常に厳しい状況に置かれているが、日本政府としては様々な問題に対する一貫した立場を踏まえ、韓国側に適切な対応を求めていく考え」だと述べた。日本のマスコミも多くがこの日文大統領は直接的な日本批判を避けたと分析した。共同通信は、文大統領が「(朝鮮半島の)平和体制構築を優先し、日本との対立拡大を避けようとする考えを示した」と報じた。

 専門家らは、このようなシグナルが韓日関係の回復につながる可能性は当分は高くないと見通した。聖公会大学のヤン・ギホ教授は「(文大統領が)親日清算を推進し、過去の歴史問題を解決するものの、南北対話をはじめとする懸案では日本と協力していくというツートラック原則に基づく意志を見せた」としながらも、「日本側から見れば、過去の歴史がより強調されていると見るだろうし、強制徴用被害者が新日鉄住金の韓国内資産に対する差し押さえ手続きを予定しており、上半期中は韓日関係の冷却期が続くだろう」と話した。ただし「6月に大阪で開かれる主要20カ国・地域首脳会議(G20)や10月の日本の新天皇即位などを契機に、関係回復のモメンタムを探るよう準備する必要がある」と述べた。

ソン・ヨンチョル、パク・ミンヒ記者、東京/チョ・ギウォン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/884217.html韓国語原文入力:2019-03-02 00:53
訳M.C

関連記事