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2回目の朝米首脳会談の場所、ベトナムが最有力候補に…ハノイとダナンが競合

登録:2019-01-21 06:37 修正:2019-01-21 07:35
ベトナム、朝米の行きやすさで早くも候補地として浮上 
両国大使館あり、中立的な態度も有力候補となった背景 
北朝鮮には経済改革の“先輩”という象徴的意味も 
ハノイとダナンのうちハノイが有力視される
北朝鮮の金正恩国務委員と米国のトランプ大統領は昨年6月12日、シンガポールで史上初の首脳会談に臨んだ。2月末に予定された2回目の会談の開催地としてはベトナムが有力視されるが、ハノイとダナンに最終候補が絞られたという//ハンギョレ新聞社

 ドナルド・トランプ米大統領は19日(現地時間)、2回目の朝米首脳会談を開催する“国”を決めたとしながらも、国家名や都市名は明らかにしなかった。これまでの報道や消息筋の伝言を総合すると、開催国はベトナムが有力視される中、首都ハノイと主な観光都市ダナンが競合しているものと見られる。

 2回目の朝米首脳会談の開催地としてベトナムが有力視される理由は、1回目のシンガポール同様、朝米両国とも友好関係を維持している中立的位置や金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長の移動距離、現地の治安・宿泊・メディアの行きやすさを考慮した結果と見られる。同じ社会主義国家の北朝鮮とベトナムは1950年1月の国交正常化以来、伝統的な友好関係を維持してきた。両国関係は1992年の韓国とベトナム国交樹立以降、しばらく悪化したが、2002年のチャン・ドゥック・ルオン国家主席の訪朝後、回復した。リ・ヨンホ外相は昨年11月29日から12月2日までベトナムを訪問した。

主要な国際行事と首脳外交の場所として愛用されるハノイJWマリオットホテル//ハンギョレ新聞社

 金委員長がベトナムを訪問すれば、1986年にベトナムが採択した「ドイモイ」(ベトナム流の改革・開放)式経済発展の成果を直接確認することもできる。これまでベトナムモデルは、北朝鮮が最も容易に学べる経済発展モデルとして注目されてきた。

 米国にとってもベトナムは好ましい地域だ。ベトナム戦争を経験した両国は1995年7月、国交正常化を通じて歴史的和解を成し遂げたのに続き、中国の攻撃的な南シナ海進出に対応して、協力関係を深めている。

 ベトナムでも有力な候補地とされるハノイは朝米の大使館がそれぞれ設置されており、首脳会談の実務準備にも最適の場所に挙げられる。ハノイは2006年11月にアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議を開くなど、主要な外交行事に対する経験とインフラが豊富だ。2016年、オバマ米大統領と昨年ベトナムを国賓訪問した文在寅(ムン・ジェイン)大統領らが利用したJWマリオットホテルなどが主な会談場所として活用されるものとみられる。

ベトナム中部のリゾート都市、ダナンの全景=ベトナム観光庁提供//ハンギョレ新聞社

 別の候補地ダナンは、ベトナム最高の休養地に挙げられる。2017年11月にAPEC首脳会議を開くなど、主要外交行事を開催できる経験とインフラを備えている。しかし、ダナンは中国の南シナ海への進出を阻止するための米国-ベトナム協力の象徴的場所であることが難点だ。実際、米空母カールビンソン号が昨年3月、ダナンに寄港して中国を刺激したことがある。

 平壌(ピョンヤン)とハノイ間の直線距離は約2760キロメートル、ダナンとの直線距離は3060キロメートルで、金委員長の専用機「大鷹」(IL-62M、実際の航続距離約5000キロメートル)で十分に到達できる。金委員長は1回目の会談の時、シンガポールへ3機の飛行機を飛ばしたが、搭乗したのは老朽機である大鷹ではなく、李克強中国国務院首相が海外歴訪の時に利用するエアチャイナ専用機だった。ただし、朝米が開催地を公式発表していないだけに、ベトナムのほか、タイのバンコクなどが選ばれる可能性を完全に排除できない。

キル・ユンヒョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/879072.html韓国語原文入力:2019-01-2020:35
訳H.J

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