「学者の国会」といわれる知識人団体「日本学術会議」を監督する法改正を日本政府が推進しており、学界などは強く反発している。過去の侵略戦争に対する学者の痛切な反省に基づいて誕生した同団体は、日本の植民地政策の討論会などで韓国とも縁がある。
朝日新聞は15日、日本学術会議を特殊法人化しようとする政府法案に対して「歴代会長6人が反対声明を石破茂首相宛てに連名で出すなど、大きな反発を招いている」と報じた。同団体は、日本が第2次世界大戦の敗戦後の1949年、科学者が戦争に協力した過去を繰り返さないという誓いのもとで設立された。1955年に制定された原子力基本法に「公開・民主・自主」という原子力研究開発の3原則を貫徹させるなど、各種の政府政策に強い影響力を発揮している。韓国と日本の革新派の知識人を招き、日本の戦争責任を問うシンポジウムなどを主催したりもした。現在、正会員210人、連携会員2000人あまりを有する日本国内で最大規模の知識人団体だ。
政府予算として約10億円が支援されるが、「国家特別機構」として独立性が認められてきた。しかし先月、石破政権が特別法からの転換を骨子とする「日本学術会議法案」を国会に提出した。18日に審議を始め、法案が可決されれば、独立機関としての地位を失い、首相が任命する監事2人と、活動を審査する評価委員会が設置される。日本学術会議を政府の監督下に置こうとするものだという批判が出ている。
日本政府は、日本学術会議が政府の政策に呼応せず、それどころか反対の姿勢を示すことに不快感を示してきた。戦争に使われる可能性がある科学研究は許されないとする立場を表明していることや、福島原発汚染水の海洋放出の正当性を裏付けることに消極的だったことも、政府ににらまれた要因とされている。日本政府は昨年も同じ法案を推進したが、学界が集団で反発して断念している。2020年に当時の菅義偉首相が日本学術会議の新会員6人に対する同意を拒否し、「菅版学界ブラックリスト」として物議を醸した。
今回も学界、野党、市民団体などが集団で反発している状況にある。日本科学史学会や日本歴史学協会など16団体は11日、「法案には廃案以外の道はない」として強く糾弾した。14日には、研究者や市民団体の会員など60人が、日本学術会議の総会を前に人間の鎖で会場を囲んだ後、「権力介入を許さない」と書かれたリボンを掲げた。