朝米が2回目の首脳会談を2月末に開催することで合意した中、非核化・関係正常化をめぐる朝米の実務協議チームを率いているチェ・ソンヒ北朝鮮外務次官とスティーブン・ビーガン米国務省対北朝鮮特別代表とが19日(現地時間)、スウェーデンで初めて顔を合わせた。先週の朝米高官級会談および金英哲(キム・ヨンチョル)北朝鮮労働党副委員長とドナルド・トランプ米国大統領の面会結果をもとに、双方が2回目の首脳会談の具体的な“内容”を決める交渉の砲門を開いたわけだ。
今回の会議は何よりも、ビーガン特別代表が昨年9月に就任して4カ月目にチェ次官と初めて向き合ったことに意味がある。これまで北朝鮮は、相応措置の提供に消極的な米国の実務陣の代わりに、トランプ大統領との“直接取引”を求め、実務および高官級交渉を避けてきた。したがって、ビーガン特別代表がスウェーデンに行ったのは、朝米高官級会談などで“次の段階について話し合える”前向きなシグナルがあったことを裏付けるものと見られる。
さらに、朝米実務交渉代表が19日から22日までの4日間、“合宿協議”を行うとされ、顔合わせ以上の結果が得られるかどうかも注目される。朝米実務交渉が行われているのは、ストックホルムから北西に約50キロメートル離れた「ハックホルムスド・カンファレンス」だという。スウェーデン南東部のメーラレン湖にある施設で、外部から近寄りにくく、主要会議が開かれる場所だ。
専門家らは、今回の実務接触は事前に緻密に準備されたものではなく、ひとまず朝米が探索戦の性格の協議に重点を置くと見通した。国家安保戦略研究院のチョ・ソンニョル元首席研究委員は「金英哲-ポンペオ会談の内容が十分に検討された段階ではない。(ストックホルム協議が)ほぼ同時に行われるため、今回の実務会談では探索的対話にとどまると予想される」と話した。チェ次官とビーガン代表の実務協議で密度ある成果が上がれば、マイク・ポンペオ国務長官の5度目の訪朝につながる可能性も排除できない。
チェ・ソンヒ-ビーガンの協議チャンネルが常時運営されれば、2回目の朝米首脳会談の成果を左右するほど比重が高まる可能性もある。第1回首脳会談が(成果よりは)象徴性を重視したという批判を受けているだけに、内実を固めなければならず、議題をめぐる議論は2人が主導的に行わざるを得ないからだ。朝米が2回目の首脳会談の目標をいかに設定したのかは確認されていない。昨年11月、マイク・ペンス米副大統領は2回目の朝米首脳会談の議題として、「核申告・査察・廃棄のロードマップ」を示唆したが、朝米交渉が止まっていたことから、2月末の会談までに朝米がロードマップに合意できるかは不透明だ。その代わり、外交関係者の間では最近、朝米が2回目の首脳会談で、核物質の生産中止・申告と連絡事務所の設置など、初期の交換リストに合意するいわゆる“スモール・ディール”(small deal)を通じた“段階的履行”方式を選ぶという意見が多い。
今回の“国際会議”には、スウェーデン外務省主催で南北米とスウェーデンが出席するが、韓国からは北朝鮮核問題交渉首席代表のイ・ドフン外交部朝鮮半島平和交渉本部長が加わった。朝米協議だけでなく、南北米の3者協議が実現するかどうかも関心事だ。