本文に移動

米国の相応措置とは?民生分野の国連制裁解除か南北経済協力事業の包括的許可か

登録:2019-01-21 05:55 修正:2019-01-21 07:38
北朝鮮の農水産物の禁輸措置を解除するか  
金剛山・開城工業団地の再開の道を開くか  
現在としては後者が可能性高い
今月19日(現地時間)、ドナルド・トランプ米大統領がホワイトハウスを訪問した北朝鮮の金英哲労働党副委員長一行と執務室で話し合っている=ダン・スカビーノ・ホワイトハウスソーシャルメディア局長のツイッターよりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 ドナルド・トランプ米大統領は19日(現地時間)、ホワイトハウスで記者団に「(北朝鮮と非核化だけではなく)多くのことについて話し合っている」と明らかにした。前日の金英哲(キム・ヨンチョル)労働党副委員長との会談で、北朝鮮の“追加の非核化措置”と交換する米国の“相応措置”も話題にあがったという意味だ。北朝鮮側が提起してきた相応措置の核心は“制裁緩和”だ。

 今回、制裁問題がどれほど話し合われたかは確認されていない。むしろ、ホワイトハウスのサラ・サンダース報道官は18日、トランプ大統領と金英哲副委員長の面会直後の会見で、「北朝鮮に対する制裁と圧迫の持続」を強調した。米国はまだ「制裁緩和に前向きではない」というのが消息筋の話だ。にもかかわらず、「制裁の緩和問題は2回目の朝米首脳会談の成否を分ける核心議題」(外交安保分野高官)であり、「結局は金委員長とトランプ大統領の談判で方向が決まる問題」(元高官)という指摘が多い。

 “制裁緩和”には二つの方法がある。第一に、民生分野に限って制裁を解除する国連決議を再び採択する“正攻法”である。例えば、北朝鮮の水産物や農産物、繊維製品、石炭などの輸出を認めることだ。これまで国連安全保障理事会は「民生目的以外の石炭の輸出禁止」(決議第2270号、2016年3月2日)→「水産物・石炭の輸出禁止」(決議第2371号、2017年8月5日)→「繊維製品の輸出禁止」(決議第2375号、2017年9月11日)→「農産品の輸出禁止」(決議第2397号、2017年12月22日)の順で制裁の範囲を広げてきた。これをもとに戻す“制裁緩和”の決議を採択すればいいが、「米国の国内政治状況を考慮すると、すぐには現実性が低い」というのが大方の見解だ。

 第二に、「解釈による制裁緩和」だ。国連の最後の制裁決議である第2397号は「事案別の免除決定」(第25条)と共に、「朝鮮半島と北東アジアの平和・安定の維持、対話による解決努力、緊張緩和活動」を「歓迎・強化」する条項を設けている。米国の対北朝鮮制裁強化法にも「民主主義的朝鮮半島の平和的統一への貢献の増進」を目的に、制裁を免除できる条項がある。政治的な意志と動力さえあれば、今でも国連・米国の既存制裁に変化を与えなくても、開城(ケソン)工業団地を含む南北の大規模経済協力事業に“制裁免除”が可能だ。対北朝鮮制裁問題専門家のキム・グァンギル弁護士(法務法人地平)は「国連決議の採択による制裁緩和よりも、既存の規定を援用した南北経済協力事業に対する“(事業別)包括免除”案がより現実的だろう」と指摘した。これに先立ち、文在寅(ムン・ジェイン)大統領と金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は、9月平壌宣言や新年の辞、年頭記者会見などを通じて、金剛山(クムガンサン)観光と開城工団事業の再開への意欲を示してきた。しかも、金剛山観光事業は厳密な意味で国連・米国の制裁対象ではないため、政治的動力さえあれば再開が可能だ。

イ・ジェフン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/879148.html韓国語原文入力:2019-01-20 21:06
訳H.J

関連記事