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[ニュース分析]南北、「ワンポイント」首脳会談で膠着局面を突破するか

登録:2018-08-11 06:36 修正:2018-08-11 07:28
専門家らが見た第4回高官級協議の展望

首脳会談、8月末9月初旬に繰り上げられるか 
4.27板門店宣言に明示した通り 
「秋の平壌会談」の可能性は高いが 
大統領府「時期・場所にこだわらない」 
板門店宣言の履行の点検は 
北朝鮮「上辺だけ」と不満露わに 
「南北協力なぜ履行されないのか」と圧迫 
協力事業のロードマップ提案する可能性も

南北労働者統一サッカー大会に参加するために韓国に来た朝鮮職業総同盟代表団が今月10日午後、ソウルのウォーカーヒルホテルに到着し、歓迎する民主労総・韓国労総組合員たちに手を振っている=共同取材写真//ハンギョレ新聞社

 13日、板門店(パンムンジョム)の統一閣で開かれる今年4回目の南北高官級会談が、朝鮮半島情勢の突破口になれるかに注目が集まっている。南北が合意して公開した今回の会談の議題は、4・27板門店宣言の履行状況の点検と南北首脳会談に向けた準備問題の協議の2つだ。最大の関心事は「首脳会談」が実現するかどうかだ。ドナルド・トランプ大統領が朝米首脳会談の計画を取り消すと発表した直後、電撃的に実現した5・26南北首脳会談が脳死状態の朝米首脳会談を蘇らせ、朝鮮半島情勢を進展させる強力な動力を作り出した先例があるからだ。

■8月末か9月初旬の「早期首脳会談」を協議するか

 まず、今回の会談で論議される南北首脳会談は4・27板門店宣言に明記された文在寅(ムン・ジェイン)大統領の「秋の平壌(ピョンヤン)訪問」を指すという解釈が多数を占めている。実際、キム・ウィギョム大統領府報道官は10日、定例記者会見で「(「秋に平壌で」を明示した)4・27首脳会談の結果が基本」だと明らかにした。ただし、キム報道官は「(首脳会談の)具体的な時期を決めるのは13日の協議で整理がつくのではないかと思う」とし、「(場所も)平壌に限られると見ることはできず、北朝鮮が他の場所を取り上げるかどうかは、13日に会ってみなければ分からない」と付け加えた。13日の会談で、時期・場所が決まるというよりは、時期と場所とも一旦は開かれた状況という意味と言える。

 政府内外では、しばらく「8月末か9月初旬」に平壌で首脳会談を開いたり、5・26首脳会談のような「ワンポイント首脳会談」を開く必要性が取りざたされてきた。今回の会談を契機に、「秋の首脳会談」の時期が繰り上げられるのではないかという見通しが示されたのも、そのためだ。しかし、情勢の流れを考慮すると、「8月末か9月初旬」に南北首脳会談の時期を繰り上げるのは無理という指摘もある。事情に詳しい大統領府関係者は「(板門店宣言に明記された通り)『秋の平壌会談』の実現可能性が最も高い」としながらも、「すべては南北首脳の意志にかかっている」とし、状況が変化する可能性を排除しなかった。

■北朝鮮、板門店宣言の履行めぐり何を話すか

 マスコミの関心は「首脳会談」という言葉に注がれているが、今回の会談の核心議題は「板門店宣言の履行状況の点検」だ。しかも、北朝鮮は最近になって「労働新聞」などを通じて板門店宣言の履行と関連し、「上辺だけで中身のある進展が見られない」や「(南側が)カネのかからないことばかりしようとしている」とし、韓国の態度を問題視してきた。米国と国連の対北朝鮮制裁を理由に大規模な資源が投入される南北協力事業を見合わせ、鉄道や道路、山林協力関連の共同調査・研究でレベルを調整してきた南側のアプローチに対する不満を明らかにしたのだ。

 北側が今回の会談で、「板門店宣言の履行状況の点検」の焦点をどこに合わせるかによって、会談以降の南北関係の経路と速度が変わる可能性がある。南側の態度に対する批判に焦点を合わせるのか、それとも対北朝鮮制裁と関係なく南北関係改善を加速化する、例えば、画期的な軍事的緊張緩和策など「非制裁分野」の意味のある新合意の導出に力を入れるかによって状況が変わるからだ。

 これと関連し、チョ・ソンニョル国家安保戦略研究院首席研究委員は「北朝鮮が南北協力事業のロードマップ作りに向けて、これを協議するための作業部会を設けることを提案するかもしれない」と話した。コ・ユファン東国大学教授は「北朝鮮が板門店宣言の履行に焦点を当てる可能性がある」とし、「合意したのに、なぜ制裁で履行できないのかと問題を提起をした後、秋の首脳会談を(板門店宣言の履行を促すための)一種の“カード”として使う可能性もある」と話した。

■8・15と9・9節の相互訪問を協議するか

 南北が今回の会談で韓国政府樹立70周年の8・15光復節と「朝鮮民主主義人民共和国創建70周年」記念日の9・9節に互いに(政府の)代表団を派遣する内容を協議するかもしれない期待混じりの見通しもある。ク・ガブ北韓大学院大学教授は「15日に北側代表団が韓国を訪問し、9・9節に南側が訪朝する過程で、首脳会談が協議される可能性もある」と話した。

ノ・ジウォン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/857152.html韓国語原文入力:2018-08-10 21:51
訳H.J

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