慶尚北道浦項(ポハン)の浦項製鉄所で、ポスコの外注業者の労働者4人が窒素ガス中毒で死亡した。
25日、ポスコ、慶北警察庁、慶北消防本部の説明を総合すると、25日午後4時頃、慶尚北道浦項市南区の浦項製鉄所酸素工場の冷却塔で仕事をしていたLさん(58)など、労働者4人が窒素ガスで窒息する事故が起こった。彼らは、浦項聖母病院や浦項セミョン基督病院などに運ばれたが、いずれも死亡した。死亡した労働者たちは同日午前9時頃から冷却設備の中にある充填材交替作業を行った。彼らは30分ほど休んだ後、午後3時30分頃から再び審査をしに冷却設備に入り事故に遭った。彼らは皆、製鉄機械整備専門の外注業者の労働者たちだ。
最近5年間、この工場では大小の事故が7件もあった。2013年12月、ファイネックス3工場の周辺プラント酸素設備の現場で原因不明の事故が発生し、外注業者の労働者2人が窒息死した。最近この工場での事故で死傷した労働者は、ほとんどが外注業者所属だった。
この日の事故が起きた酸素工場は、隣にあるファイネックス工場に酸素を供給する施設だ。ファイネックス工場は、自然状態で紛状の鉄鉱石や一般炭をそのまま利用し銑鉄を生産する設備だ。ポスコ側は酸素工場の冷却塔から冷却溶媒として使われる窒素ガスが漏洩し、事故が起きたものと見ている。警察は、ポスコと外注業者の関係者たちを相手に窒素ガスが漏出した理由などを調査している。警察関係者は「外注業者の職員らは基本的な安全装備は持って入ったものと把握されている」と話した。
これに先立ち、蔚山(ウルサン)の現代重工業でも最近、労働者2人が死亡した。23日、現代重工業労働者のKさん(58)が酸素切断機で取付作業用部材(タブピース)を除去する作業をしていたとき、体に火がついた。全身75%の火傷の診断を受けたKさんは、火傷専門病院であるソウル漢江誠心病院に運ばれて治療を受けたが、25日未明2時頃死亡した。この事故は作業中に酸素が漏れて起きたのが原因と見られている。
24日には、現代重工業の子会社モスの下請け会社所属のクレーン運転士のKさん(63)がクレーン上部で倒れているのを同僚らが発見した。Kさんは蔚山大病院の救急室に運ばれたが、結局死亡した。Kさんは急性心筋梗塞症による心臓麻痺で死亡したものと推定される。Kさんにはこれといった持病はなかったという。
現代重工業社内下請け支会はこの3カ月間のKさんの勤務時間を確認した結果、12週間で平均55時間以上働いたと明らかにした。Kさんは正規職のクレーン運転士として働いたが、2016年に現代重工業が子会社を設立し、クレーンや装備部門を外注化して下請労働者として働いてきた。
現代重工業は2016年に、元請と下請の労働者11人が労災で死亡した。昨年には幸い死亡事故は発生していないが、今年に入って2人が死亡した。事故の経緯などを調査している雇用労働部の蔚山支庁は26日、現代重工業に対して作業中止を命令する予定だ。雇用部の関係者は「産業安全保健法等の違反事項が発見された場合、手続きによって処置する計画」と明らかにした。