サムスン電子やSKハイニックスなど国内の半導体生産会社で働き、白血病、リンパ腫、多発性硬化症などの疾病に罹った労働者7人が31日、同時に労働災害を申請した。半導体労働者の健康・人権団体である「パンオルリム」は同日、ソウル永登浦(ヨンドゥンポ)勤労福祉公団ソウル南部支社前で記者会見を開き、「勤労福祉公団は電子産業の職業病被害者に対して迅速に労災を認めよ」と要求した。
パンオルリムの労災申請は、2008年4月のサムスン半導体集団白血病の労災申請を始めて以来、今回が13番目だ。パンオルリムは、同日までに合計94人に対する集団労災を申請したが、労災を認められた患者は22人だけだ。パンオルリムが過去10年間情報提供を受けた半導体職業病被害者は計393人で、このうち144人がすでに死亡した。
勤労福祉公団は、今まで発がん性物質に対する露出の証拠が足りなかったり、発病原因が医学的に明確ではないなどの理由で被害者に立証責任を要求し、労災承認に消極的な態度を示してきた。一方、パンオルリムは「最近の最高裁(大法院)の判決の趣旨通り、労災認定基準をただちに改正して、繰り返される職業病被害については長い調査や審査無しに労災を認めること」を求めている。
これに先立つ8月、最高裁判所はサムスン電子で働いていた労働者が多発性硬化症で労災を申請した事件について、業務と発病原因の関連性が不足しているという理由で請求を棄却した原審を覆し、「立証責任の緩和」の法理を用いて被害者側に軍配を上げた。最近、裁判所で労災を積極的に認める判決が相次ぎ、政府も方針転換を検討しており注目される。