サムスングループ未来戦略室が、白血病被害者を代理する弁護人に高価な公演チケットを持続的にプレゼントするなどグループ次元で管理してきた事実が明らかになった。当該弁護士はサムスン半導体被害者の一部が属する「職業病家族対策委員会」(家対委)を代理する弁護士であるため、“不適切な管理”という批判が出ている。特に当該弁護士は現在、中立的立場でサムスン半導体生産ラインを総合診断しなければならない「オンブズマン委員会」の常任顧問も務めている。
8日、検察と特検などを通してハンギョレが確認したチャン・チュンギ前未来戦略室次長(社長)などのショートメッセージによれば、チャン前社長は昨年、サムスン半導体被害者を代理しているパク弁護士に何度も高価な公演チケットを贈ったものと確認された。 パク弁護士は昨年7月、チャン前社長に「社長がいつも贈って下さる芸術の殿堂などのチケットのおかげで豊かな文化生活を送っている」というショートメッセージを送った。さらに「社長が関心を持って下さるおかげで『サムスン白血病オンブズマン委員会』も首尾よく予防対策のための正常な経路に向かっている。今年から3年間の活動で適切な成果を出すものと予想され、私も常任顧問としてそれなりの役割をしている」と説明した。
パク弁護士が常任顧問として参加している「オンブズマン委員会」は、2007年3月サムスン電子器興(キフン)半導体工場に勤務していたファン・ユミさんが急性白血病で死亡した後、初めて被害家族とサムスンが合意して昨年1月に立ち上げた災害予防のための「外部独立機構」だ。ファンさんが亡くなってサムスン半導体工場の職業病問題が世に知られはしたが、10年経っても被害者に対する謝罪と補償はまともになされなかった。2013年にサムスン電子とパンオルリム(半導体労働者の健康と人権を守る人)の交渉が始まり、サムスン電子の提案によって2015年の初めに調停委が設立された。しかしサムスンは1000億ウォン(約99億円)規模の公益財団設立を盛り込んだ第1次調停勧告案を拒否し、独自の補償委員会を設けて補償手続きに入った。結局「補償交渉」は決裂し、「災害予防」にまず取り組むことで合意して設立されたのがオンブズマン委員会だ。サムスンと被害者家族が辛うじて合意にこぎつけただけに信頼性と中立性が重要な機構だが、常任顧問であるパク弁護士が「公演接待」を含めサムスン側と持続的な接触を持ったとすれば問題にならざるを得ない。
パク弁護士の感謝のショートメッセージはその後も続いた。その年(昨年)の7月21日に「贈って下さった本は家族みな喜んで読んでいる 」という趣旨の長文のメッセージを送り、9月には「今回贈って下さったブダペストオーケストラの公演チケット、ありがとうございました。おかげ様でよい文化生活を送っています」と書き送った。当時ブダペスト公演チケットの場合、R席は1枚25万ウォン(約2万5千円)だったという。 またパク弁護士は、直接白血病問題に関与したイ・イニョン サムスン電子社長やチャン前社長と会って食事もしている。その前年の2015年12月にもパク弁護士は「これまで贈って下さった音楽会のチケットのおかげで、豊かな文化生活を送っています」という感謝のメッセージを送っている。
これについてパク弁護士は「チャン前社長とは一回会ったことがある。(チャン前社長から)『サムスンにとっては相手側だが、合理的な方だ』という程度のことを言われた」と話した。公演接待と関連しては「サムスン白血病家族対策委の仕事をしているのにチャン前社長がこれをなぜ贈ってきたのか、どういう意味なのか、若干葛藤を覚えたのは事実だ」としながらも、「ただ、私の友人の弁護士がチャン前社長と家族関係にあったので、サムスン白血病とは別個に汎サムスンの次元で文化関係のチケットを提供する範囲に私が入るのだと考えた」と釈明した。
韓国語原文入力:2017-08-09 05:00