登録 : 2017.05.29 03:19 修正 : 2017.05.29 07:10

ソウル高裁、1審破棄し原告勝訴判決 
「発病原因が究明されていない希少疾患でも 
発病・悪化の要素が存在すれば、労災」

サムスンディスプレイ器興工場=資料写真//ハンギョレ新聞社
 裁判所がサムスン電子半導体工場労働者が患った希少疾患「多発性硬化症」を産業災害として認定した。サムスン電子半導体工程で「多発性硬化症」が労災として認められたのは初めてだ。裁判所は「発病原因が明確に究明されていない希少疾患であっても、現在の医学的研究成果を通じて病気の発生・悪化の原因とされる要素が業務環境や業務遂行過程に存在するなら、業務上疾病として認めるべきだ」と明らかにした。

 ソウル高裁行政2部(裁判長キム・ヨンソク)は28日、サムスン電子の器興(キフン)半導体工場で2年間働き、多発性硬化症を患ったキム・ソジョン氏(33・仮名)が勤労福祉公団による療養不承認処分の取り消しを求めて起こした訴訟で、1審を破棄し、原告勝訴の判決をしたと明らかにした。キム氏は、高校卒業直後の2003年に入社し、2年後に退社した後、体重の減少や小便の異常、視力低下、顔面麻痺、感覚の低下などの症状が現れた。退社から3年後に多発性硬化症の判定を受けたキム氏は勤労福祉公団に療養給与の支給を求める申請を行ったが、公団に拒否され、2013年に訴訟を起こした。

 多発性硬化症は韓国での有病率が10万人当たり3.5人、20代の場合は10万人当たり1.4人とかなり低い希少疾患で、正確な発病原因が明らかになっていない。勤労福祉公団は、これを理由に業務上疾病ではないと主張してきた。

 しかし、裁判所は、この病の発病原因とされる6つの中で、日差しへの露出不足▽有機溶剤・重金属への露出▽交代勤務など3つがキム氏に当たるとみて、業務上疾病という結論を下した。裁判所は「キム氏の発病時期が韓国人の(多発性硬化症の)平均発症年齢(38.3歳)に比べて早く、サムスン電子事業所でこの病気が発生した人が4人であることまで考慮すると、業務環境がこの疾病を誘発したり、少なくとも正常なスピード以上に早く進行させた可能性がある」と判示した。

 特に、裁判所は有機溶剤を浴びることと関連し、「有害ガスを屋外に排出する設備がなく、有害物質に短期間高濃度でさらされる可能性がある作業についての管理が整っていない」という2013年産業安全保健公団の器興工場に対する安全保険診断結果を引用し、「当時、サムスン電子が営業秘密などを理由に有害物質の漏えい管理システム評価に必要な資料を提出しなかったことを考慮すると、診断以上の問題点があるものと見られる」と述べ、当該文書の提出に消極的だったサムスン電子の態度を批判した。

 キム氏の訴訟を代理した「半導体労働者の健康と人権保護のパンオルリム」は同日、声明を発表し「勤労福祉公団は不当な上告で被害者の苦しみを長引かせてはならない」と主張した。

パク・テウ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2017-05-28 21:13
http://www.hani.co.kr/arti/society/labor/796534.html 訳H.J(1318字)

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