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北朝鮮「ICBM用水爆実験に完全成功」…北朝鮮核問題、新たな局面へ

登録:2017-09-04 03:20 修正:2017-09-04 07:25
1年ぶりに6回目の核実験…爆発力50キロトンで歴代最大 
文大統領NSC召集「最高の強力な報復を講じる」 
 
トランプ大統領「韓国、対話は効果がないことを知っただろう」 
大統領府「再び戦争の惨禍繰り返すわけにはいかない」反論
6回目の核実験に先立ち、北朝鮮の「朝鮮中央通信」は今月3日午前、金正恩労働党委員長が核兵器研究所を現地指導したと報道した。金委員長の後ろの掲示板に北朝鮮のICBM級の長距離弾道ミサイルと推定される「火星-14型核弾頭(水爆)」と書かれている=平壌/朝鮮中央通信 聯合ニュース

 北朝鮮が3日午後、6回目の核実験を断行した。昨年9月、5回目の核実験を行ってから1年ぶりのことで、文在寅(ムン・ジェイン)政権が発足してからは初めてだ。これまで続いた弾道ミサイル発射で緊張を高めてきた上、爆発の威力が少なくとも50キロトンで、史上最大規模であることから、北朝鮮の核危機は以前と違う次元に入ったものとみられる。朝鮮半島周辺情勢はさらに激しい荒波にさらされる見通しだ。

 北朝鮮の「朝鮮中央テレビ」は同日午後3時30分(韓国時間)「重大報道」を通じて、「大陸間弾道ロケット(ICBM)装着用の水爆実験に完全成功」したと明らかにした。今回の核実験は同日午前、金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長が主宰した労働党政治局常務委員会で決定したと、同通信は報じた。気象庁は「北朝鮮咸鏡北道吉州郡(キルジュグン)豊渓里(プンゲリ)近隣の地域で、昼12時29分に大規模な爆発による人工地震と推定される震動が感知された」とし、北朝鮮の核実験の事実を確認した。

 気象庁は今回の人工地震規模を、規模5.7で測定した。これは昨年9月の5回目の核実験の規模5.0、昨年1月の4回目の核実験の規模4.8より高い数値だ。気象庁は今回の人工地震のエネルギーが5回目の核実験の5~6倍、4回目の核実験の11.8倍で、トリニトロトルエン(TNT)で換算して約50キロトン程度と計算した。海外メディアは米国地質調査所を引用して、これよりエネルギーがはるかに大きな規模6.3と報道した。この場合、爆発の威力が100キロトン以上になるものと推定される。

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領は同日、国家安全保障会議(NSC)の全体会議を招集し、「北朝鮮が国際社会の孤立をさらに深める、実にとんでもない戦略的失敗を自ら招いた。決して黙って見過ごすわけにはいかない」とし、「国際社会と共に最高に強い報復案を講じるべき」と指示した。政府は、国連安全保障理事会(安保理)の緊急会議を要請して、安保理の対北朝鮮制裁案(第2371号)よりさらに強い制裁内容を盛り込んだ決議案を推進するなど、国際社会と協力して、北朝鮮への圧迫を一層強めていく方針だ。文大統領は同日の会議で「失望と怒りを覚えざるを得ない」と強い遺憾の意を表明した。

 ドナルド・トランプ米大統領は同日夕方、8時30分にツイッターに「北朝鮮の言葉と行動は、米国にとってかなり敵対的であり、危険な状態が続いている」という反応を示した。さらに、「(問題の解決を)手助けしようとしてはいるものの、あまり成功的でない中国にとって、北朝鮮は非常に大きな脅威とトラブルになっている不良国家」とすると共に、韓国については「私が既に述べたように、北朝鮮に対する融和的な対話は効果がないということを韓国はようやく気づいている」と指摘した。これに対し、大統領府は同日夜、資料を発表し「韓米両国は、緊密な共助に基づき、北朝鮮の継続する挑発に対応して国際社会と共に最大限の強力な制裁と圧迫を加えるという、一致して確固たる立場を堅持している」としながらも、「ただし、同じ民族同士で殺し合う戦争を直接体験した国として、再び戦争の惨禍を繰り返すわけにはいかない」と明らかにした。朝鮮半島の平和的非核化を改めて強調したのだ。

 キム・ヨンヒョン東国大学教授は「(朝鮮半島内外で)再び激しい発言が飛び交い、米国の戦略資産の展開も行われるなど、強硬の流れが続くだろうが、実質的に北朝鮮を圧迫する画期的カードを提示するのは難しい」と分析した。一方、北朝鮮がまた戦略的挑発を強行し、核兵器が完成されたと判断した場合、核実験とミサイル試験発射に対するモラトリアム(一時猶予)を宣言し、交渉に乗り出すと予想する専門家もいる。ヤン・ムジン北韓大学院大学教授は「今後国連安保理の制裁と米国の独自制裁が実現されれば、北朝鮮がICBMで対抗する可能性がある」としながらも、「一方、北朝鮮が先に核実験とICBMのモラトリアムを宣言し、“核保有国”として米国と同等な立場で核軍縮交渉に乗り出すとして、米朝対話を先に提案する可能性もある」と話した。

パク・ビョンス、イ・グンヨン先任記者、キム・ジウン、チョン・ユギョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/809489.html 韓国語原文入力:2017-09-03 23:16
訳H.J(2167字)

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