本文に移動

トランプ、中国・韓国同時に圧迫…原油の遮断など総力制裁か

登録:2017-09-04 06:01 修正:2017-09-04 07:28
ツイッターで「北朝鮮、中国に大きな悩みの種」 
韓国にも「対話の効果なし」メッセージ 
 
安保理の追加制裁決議は避けられない 
中国と「原油の縮小・中止」最大争点 
米「中国、上限ラインを設定」が1次目標 
 
選択肢減り、交渉局面転換に悩み 
軍事オプション・武力示威など現実的限界 
主導権を渡した韓米「カード」困難に
北朝鮮の金正恩労働党委員長とドナルド・トランプ米大統領/AFP聯合ニュース

 北朝鮮の6回目の核実験であり、ドナルド・トランプ米大統領や文在寅(ムン・ジェイン)大統領の就任後初の核実験で、朝鮮半島情勢はしばらく緊張が急激に高まっている局面を避けられないものと予想される。トランプ行政府は日増しに選択肢が少なくなるという形で、いつかの時点では交渉局面に転換するかどうかをめぐり深い悩みに陥るものとみられる。

 トランプ大統領は米国時間で真夜中に行われた6回目の核実験後の3日朝、ツイッターを通じて「北朝鮮の言葉と行動は、米国にとって非常に敵対的であり危険な状態が続いている」という反応を示した。さらに、北朝鮮が「中国に非常に大きな脅威とトラブルになっている不良国家」とし、韓国についても「韓国は私が述べたように、北朝鮮との融和的な対話が効果がないということに気づいている」と主張した。先月29日、北朝鮮の中距離弾道ミサイル(IRBM)発射の後に出した「すべてのオプションはテーブルの上にある」、「対話は答えではない」と軌を一にする反応だ。

 ひとまず米国は国連安全保障理事会(安保理)の追加制裁論議を始めざるを得ないと見られる。トランプ大統領が中国と韓国を言及したのは、叱責を加えつつ圧迫に積極的に参加するよう要求するメッセージと読み取れる。追加制裁論議の過程では、中国の北朝鮮向け原油供給の縮小・中止問題が最大争点になるものと予想される。安保理は先月7日に採択した決議2371号で、北朝鮮の石炭や水産物輸出を全面禁止する代わりに、北朝鮮への原油供給の縮小・中断は、制裁対象から外した。

 外交消息筋は「新しい制裁を推進する場合、米国は中国の北朝鮮への原油供給に上限を置く方策を積極的に推進する可能性が高い」と見込んだ。表面的には原油供給の遮断を中国に要求するが、実際の目標は上限設定が目標になりかねないということだ。中国が原油供給の全面中止を受け入れる可能性は少ないからだ。米国の立場では、上限を設定しておけば情勢が悪化するたびに供給を引き続き減らしていくよう中国を圧迫することができる。

ただし、中国が同意するかどうかは不透明だ。北朝鮮も最悪の状況を備えて核実験をした可能性が相当だ。東京新聞は2日、北朝鮮が制裁に備えて4月に石油100万トンを備蓄する目標を立てたことが確認されたと報道している。

 昨年、北朝鮮全体輸出額の25%(約7億2千万ドル)を占めた衣類についても制裁を追加する可能性がある。衣類輸出は、中国の下請けを受け、北朝鮮で賃加工して輸出する構造だ。

 トランプ行政府は、中国企業に対する独自の制裁の速度も高めるだろうと予想される。米国財務省は先月22日、北朝鮮の核開発などに手を貸したと判断した中国やロシアなどの機関や個人に対して独自制裁を加えた。

 この過程でトランプ行政府は、対中国企業制裁に参加せよと韓国を圧迫する可能性が高い。韓国政府が先月28日、米国の対中国制裁企業を官報に掲載して「当該対象との取引に格別な注意を要請」したことも、米国の圧迫によるものだという。

 しかし、安保理決議でも、米国の独自制裁でも、中国を締めつける方式の迂回的な制裁の効果は時間がかかるうえ、北朝鮮も制裁回避技術を発展させてきたという点で限界が少なくない。トランプ行政府が「すべてのオプションはテーブルの上にある」とし、軍事行動の可能性を再び取り上げる可能性があるが、すでに効果が落ちている。韓米武力示威や抑止能力向上も垣根を作ることであって、垣根の中で行われる北朝鮮の核・ミサイル能力の高度化そのものを防ぐことはできない。

 北朝鮮はこのように、米国が保有した手段の現実的限界を突破しながら「核兵器保有を認めた交渉」と「核能力の高度化放置」の一つを選択せよとし、米国を圧迫するものと予想される。今年末まで米国と「談判」をするという内部の時刻表を固めたものとしたことから、米国が自分たちの要求を受け入れなければ、核・ミサイルの手段を利用した強圧外交の強度をさらに高める可能性があるる。北朝鮮に主導権を渡した韓米は、ますます困難な立場に追い込まれている。

ワシントン/イ・ヨンイン特派員、キム・ジウン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/809488.html 韓国語原文入力:2017-09-03 23:22
訳M.C(2062字)

関連記事